2013年12月23日月曜日

Bizcafeよっかいち『ここちよさのデザイン』

うちのオフィスがあるビズスクエアが毎月開催している「Bizcafeよっかいち」という起業をテーマにした交流会(勉強会かな?)がありまして、そこで約1時間『ここちよさのデザイン』というテーマでお話させてもらいました。あんまり時間ないけど聞きにきた!という方が何人かいらっしゃって本当に嬉しかったです。

























実は、これまでに何度かBizcafeの講師に名が浮上していたんですが、やんわり避けていた経緯がありまして。というのも、僕の話って「○○な視点があってもよくて...云々」とか「○○な時代がくる可能性があって...云々」みたいにかなりフワッとしているので、具体的にどうビジネスを作ってきたとか、ビジネス直結のノウハウみたいな話が求められているBizcafeには合わないと思ってたからです。

まあ僕としては、Bizcafe番外編ということで『世界を目指す起業家、地方を目指す起業家』というイベントを8月に開催しているのでそれでお役御免かなと思っていたのですが、本編のほうでもということになり、いつものBizcafeっぽい話はできないですけど…と前置きした上でお話しさせてもらいました。

開催日がクリスマスの前週、3連休初日、年末も近いとあって、いやそんな時期に誰も来ないだろうと思っていたのですが、蓋をあけてみると30名近い参加者にお越しいただけて、最近のBizcafeの集客力すげーな。と感じた次第です。女性の参加者も多くて、おっさんの多い名古屋の某IT系飲み会とはまた違った雰囲気です。やっぱり運営に女性がいるのは大きいかな。

























今回の主旋律は、いま仕組みのデザインと見た目のデザインの狭間で、考えられているような考えられていないような状態になっている、なぜ人が動くのか、動かされるのか?というところのデザイン、「ここちよさのデザイン」を明確に分けようよ。と、いうこと。

ちなみにここでの "ここちよさ" とは、「人を動かす気持ちよい感情」のことで、単に気持ちいいだけのことは指していません。


僕は、ウェブシステムを開発する仕事をしていますので「こんなアイデアがあるからネットを使って実現したい!」というご相談をよく受けます。「こんな風に投稿ができたらきっと楽しい!」とか「かわいいデザインにして女性ユーザーを獲得!」みたいな議論が熱いのですが、それって仕組みと見た目の話であって、本当にそう受けとってもらえるのか?そもそもなぜそれを使いたいと思うのかという視点での話がしっかりされることは少ない。

また、大学での講義、交流会の主催などしていて感じるのは、「これからは○○な時代が来る!」「○○業界を盛り上げる!」「○○で地域活性!」なんていって熱いコンセプトやメッセージで伝えようしても、基本的に誰もそれには興味がないということです。熱いのは伝えようとしてる人たちだけで、受け取る側は「なんか知らないけど面白そうだな。」くらいで動いてて、理解は後だったりする訳です。であれば「あ、なんかよさそうだな」とか「聞いてみようかな」と思わせるここちよさをデザインするという視点は、仕組みや見た目のデザインと同じかそれ以上に大切なんじゃないかと。

ただ、ここちよさのデザインといっても難しい。仕組みや見た目のデザインは発信側の話だけど、ここちよさのデザインは受け取り側のことでよく見えないし、ノウハウもないのでどこからどう手をつけたらいいのか分からないっていうこともある。そこで、まずそのイメージを掴んでもらうために例として挙げたのが水。
 
























水は、味をつけても香りをつけても水じゃなくなる。富士山録の水、南アルプスの水、飲んだことはあってもその違いが分かる人なんてほぼいない。つまり差別化が難しいのでデザインでの差別化に頼りがちになるんだけど、そこにここちよさを持ち込んで差別化したのが、いろはすじゃないかと。

誰しも、環境に悪いと分かっていてもつい便利さを優先してしまう(薄い罪悪感)みたいなものが頭のどこかにあって、かといって週末に植林に行ったり海に清掃に行くかというとそこまででもない。ペットボトルなんてまさに環境に悪そうなものの筆頭格なんだけど、いろはすを買えばエコにつながるっていうのがそうした罪悪感に対してちょっと許される感を生んでいて、それが選択行動につながっている。そのここちよさは、ちょうど暴飲暴食したから青汁飲んでプラマイゼロ、みたいな感じに似ています。

ほかには、企業の給与制度なんかもイメージ掴みやすい例で、成果が評価・反映がされる仕組みだけでみんな満足かというとそんなこともなくて、むしろ論理的な仕組みにしすぎて満足度が下がったなんていう話や、逆に給料があんまり上がってなくても社長からの言葉で報われてるなんて人もいて、こうしたことからも仕組みのデザインとここちよさのデザインは明確に分けて考えたほうがよさそうだということを感じます。



























あと、この「仕組み」「見た目」「ここちよさ」の3つのデザインを分けて考えるという視点は、「マーケティング」「ブランディング」を考えるときにも役立つと思っています。特にマーケティングとブランディングがごっちゃになって「ブランディング的に考えてデザインは...云々」なんてことになっている場合においては。

ブランディングが顧客の中にあるここちよさ(多くの場合、信頼や安心感)を得ることだとすると、まずは商品やサービスを届ける(売る)ことが第一で、その後の積み重ね(サポートや問題対応など)が少しずつ顧客の中にそれを育てていく。特に名も無い地方の中小企業がビジョンだとか、ミッションだとか、ロゴやイメージの発信だけで自社をブランディングするなんてまず無理で、そうした発信は、こんな風に思ってもらいたいっていう企業側のここちよさ(マーケティングの範囲)であって実際にそのまま受け取ってもらえるかなんて分からない。

いや発信し続けることで-。って見方もありますが、それならば話それますが、僕はオードリーの若林に似てるとよく言われます。一方、オードリー若林とイケメン俳優向井理が似ているなんて話がネットなんかでされていて、(三段論法風に)故に僕=向井理な訳ですが、僕が向井理似押しで発信しつづけても無駄です、実際のところ女性中心に(ネタ的に話してんのに!)ドン引きされて心がズギズキします。それよりもオードリー若林似だということを受け入れて(顧客を理解して)その延長線上にあるものを見つけていくことがブランディングへの近道になるということです。



すべての人に刺さるデザイン、すべてを網羅するシステムが無いように、ここちよさのデザインについても1つの方法論ではきっと語れなくて、状況に応じたデザインが必要なんだけど、今回の話は、まず視点として明確に分けようよ。というところまで。

仕組みを作るためのシステムエンジニアがいたり、見た目を作るためのウェブデザイナーがいるように、ここちよさのデザインをする人がいてもよくて、これからの重要な職業の1つになる可能性を感じます。もしかすると、IT系でいうグロースハッカーもある意味でこの分野なのかもな、と思います。




最後に。今回ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。予想以上の反響があって、Bizcafeには合わないかも...と心配していただけに嬉しかったです!特に人生の先輩方からの評価は励みになります。感謝しております。

Bizcafeスタッフのみなさん、お疲れ様でした。ありがとうございました。クリスマスランチも楽しかったです。

2013年11月13日水曜日

マレーシア(クアラルンプール)現地視察レポート

11月8日~11日の4日間、マレーシアのクアラルンプールに滞在して現地の様子を見てきました。
一部からは『慰安旅行』と呼ばれている今回の旅ですが、現地で得た情報についてみなさんにシェアしていきたいと思いますので、ご興味のある方はご一読ください。

※ 誤認等ありましたらご連絡いただけるとありがたいです。















東京の成田からマレーシアまでのフライト時間は7時間半。現在、中部国際空港からの直行便はありませんが、既に就航の予定があるそうで今後は中部からのアクセスも近くなります。時差は1時間なので時差ボケを感じることはありません。が、実はこの時差、東京市場に合わせてかなり無理をして設定しているそうで、ほんとは2時間くらいあるようです。(実際、7時半になってようやく空が明るみ初めてくるので最初そのことを知らなかった僕は、えらく日ののぼりが遅い国だな。と思ってました。)


マレーシアの国土は、日本とほぼ同じ大きさですが、人口は3,000万人弱(外国人含む)。「この人口の少なさが少し残念なところ」と現地滞在の方が言われてました。30歳未満が55%ではあるものの人口ピラミッドは減少傾向にあって、国としてのポテンシャルを非常に感じるだけに確かに残念かもしれません。ちなみに今回訪問したクアラルンプールの市域人口は約180万人、そこを中心とした都市圏の人口となると720万人となり、日本でいうと愛知県と同じくらいの規模になります。(ちなみにマレーシア在住の日本人は2万人くらいだそうです。)
























写真は、マスメッド・ジャメ駅周辺のマレー系の人たちが多くいる地域で撮影したものですが、3,000万人の人口のうち約60%(1,850万人)がこのマレー系の人たち。その他にチャイニーズ系が約20%(650万人)で、インド系が6%(190万人)といった構成です(クアラルンプール市内は割合が変わるので後述)。シンガポールと同様にクアラルンプールでも同じ人種の人たちが特定の地域に固まって生活している感じです。これは、イギリスの植民地であったことによる影響が大きいと思います。自動車も左側通行ですし。

市内では、ほとんどの場所で英語が通じます。Malaysian Englishかつ、ネイティブランゲージ寄りのなまりはありますが、少し話しているうちに特有のイントネーションが掴めてきます。なので、言葉に関して苦労を感じることはほとんどありませんでした。マレーシアの人たちは、状況によって言葉を使い分けているそうで、チャイニーズ系なら家族と話すときは中国語、外で話す時は英語、という感じだそうです。余談ですが、現地でマレーシア人の友人の結婚式への招待を受けていたので参加してきましたが、その際も司会の女性がまずは中国語で、次に英語で進行をしていましたし、新郎新婦のスピーチは英語でした。

マレーシアで10年近く企業経営をされている方曰く、マレーシアの採用市場が売り手市場(働き手がとても優位)である理由の一つが、最低でもマルチリンガルなことだそうです。複数の国にまたがってサービスを提供する時代にこうした人材が、分かりやすいところでいうとコールセンターやコミュニティ運営などで求められていて、さらに上を目指すならシンガポールに出て仕事をすることもできるからです。


























次に経済ですが、クアラルンプールの商業の中心は、Bukit Bingtang(ブキ・ビンタン)というところにあります。ざっくりいうと名古屋の栄です。知らない方には伝わらない例えで申し訳ないですが、雰囲気や街のスピードもまさにそんな感じです。駅の周辺エリアにはいくつかの大きなショッピングモールがあって大勢の人で賑っています。ただ、どうみても人口や購買力とミスマッチを起こしていて、実際のところ流行らないモールはすぐにテナントがガラガラになって廃れてしまうようです。国として右肩上がりの経済しか経験していないということもあって、これからもどんどん作っていく方針だそうで、この先数年で20近いのモールの建設が予定されているそうです。




























国としての人口構成のところで、マレー系6割、チャイニーズ系2割と書きましたが、クアラルンプールだけだと共に4割くらいになるそうで、チャイニーズ系の割合がかなり増えます。ビジネスを考えるときは、こっちの数字を気にする方がいいかなと思います。所得は、中堅技術者(日本で年収600万円くらいの技術者イメージ)で月額10万円弱。管理職クラスだと月額20万円くらいになります。これくらいの所得になってくると、生活コストの低さもあるので可処分所得は日本の若者よりも高いと思われます。

「政治はマレー系が握っていて、経済はチャイニーズ系が引っ張っている」らしく、経済においてはマレー系が足を引っ張っている印象(稼ごうよ!というチャイニーズ系と、ほどほどでいいんだよ。というマレー系)だそうです。事実、購買力もチャイニーズ系の方が高く、中間層(マレーシアは中間層が分厚い)の家計月収は、チャイニーズ系で平均17万円強、マレー系は12万円強です。上位層になると、チャイニーズ系の45万円強に対して、マレー系は32万弱とその差は広がります。

4日間で、かなりの数のモールを歩いてきましたが、ファッションでも電化製品でも日本でおなじみのブランドが並んでいますし、海外からのブランドがとても多いです。マレーシアの人は、海外のよいものを取り入れることに積極的(逆に言うと自分たちで作ろうとしないのが問題)だそうで、日本のプロダクトもたくさんみかけました。特にキャラクター系において日本のコンテンツは強いなというのを改めて実感します。
























あと、コートなどの冬服がディスプレイされていて、今の時期マレーシアの日中の気温は30度くらいで、電車を待っているだけで汗ばんでくるのにコート?と不思議に思っていたのですが、現地滞在の方曰く、こうした服を買える=海外に行けることを意味しているらしくステータスのひとつだとか。マレーシアの人は見栄っ張りなところがあるとも言っていました。
























街は日没後から活気づく感じで、結構遅い時間になってもたくさんの人が歩いています。日中は気温が高いですが、夜になると25度くらいになって過ごしやすいのがその理由だと思います。(もちろん場所によるでしょうけども)夜の治安が悪い印象はあまりなくて、裏通りというかほとんど人の通りが無いようなところでも女性がひとりで歩いていました。電車は大体0時過ぎまで運行していて、タクシーはもっと遅い時間までいます。このことを知っていたら初日にもっと街を見てあるけたのになと思っています。
























次の写真は、コミューターの女性専用車両の様子。クアラルンプールで特筆すべきことのひとつに交通インフラがあります。非常に整っていて名古屋の栄よりも質、価格ともに断然充実しています。空港から市内までは、KLIA Express という高速列車が30分で結んでいて価格は1,000円程度。市内に入るとコミューターと呼ばれる電車のほか、モノレール、バス、タクシーがあります。コミューターは格段に安くて1駅30円。KLセントラル駅から30分ほど離れたスバン・ジャヤ駅へ行っても50円程度でした。コミューターのチケットには2種類あって、自動販売機で買うとプラスチックのコイン型のものが出てきて、窓口で買うとカードを渡されます。出口では、コイン型のチケットをゲートに入れるか、係員にカードを渡します。


















タクシーの料金は交渉が可能です。と、いうか交渉してから乗らないと後で高い金額を要求される可能性があります。実際、聞かないで乗ってしまって倍ぐらい払わされました。ただ、こう書くとやっぱ海外のタクシーは怖いな。ってなりますが、基本ぼったくりの無い、平和な日本のタクシーの料金ほうがよっぽど高いです。倍払わされて日本の1/2です。距離的に。市内のタクシーの運転手とは、常に20リンギットなのか15リンギットなのかで戦うという150円の攻防が繰り広げられます。どうでもいいといえばいいんですが、なぜか交渉しちゃうんですよね。

なお個人的な移動手段としては車だそうです。タクシーの運転手に安い車買うならどれくらいのイメージかを聞いたところ、まあ100万円くらいかな。と、いう感じの回答でしたので、前述の所得からいっても、これであれば十分に買える値段です。

















食事についても少し。1日目に宿泊したホテルはリゾートホテルっぽい感じのところで、21時過ぎに到着して周囲に何もなさそうだったので、ホテル内にある日本食レストランでとることにしたのですが、天ざる、しいたけの吸い物、肉じゃが、ビールで3,800円でした。味はというと、全般的に出汁と塩が入ってない感じで味気無かったです。寿司を頼もうかと思いましたが、サーモン2貫で600円と聞いて諦めました。日本食=高級イメージなんだと思いますが、この味でこの値段は日本人の僕にとっては本当に残念です。ただ、日本の味そのままが海外で合うかどうか?や、僕が東海地方に住んでいて塩分の多い味に慣れているというのもあって判断は難しいです。ちなみに朝食のビュッフェにミソスープというのがあったので飲んでみたら赤味噌だったという。嬉しいけど、よく分からんです。

マレーシア訪問以前は、料理がすべて辛いと思っていたので、辛いのが苦手な僕としては、食べるものあるかな・・・と心配していたんですが、特にチェーン店などではメニューに辛さの表記がされてましたし、辛い料理は全体の半分以下の感じでした。屋台で食べた料理も安くて美味しかったです。ちょっとしたこと、匂いとか味が気になると食べられないというデリケートな体質ですが、まったく問題なかったです。あと、KLセントラル駅という交通の要所周辺には、400店舗以上の日本食があるそうです。ただ、ホテル以外では日本食を食べてないので味はわかりません。

































あと、マレー系の人たちは基本的にイスラム教を信仰しているため、お酒が飲めなかったり(そもそもマレーシア人はあまりお酒を飲まないそうですが)、豚肉などが食べられなかったりと食事に対して制限があります。そのためにハラール(HALAL)というイスラム法上で食べられる食品だということを認証する制度があります。牛肉や鶏肉でもこの認証がないと食べられません。下の画像はスーパーの一角ですが、ノン・ハラルな食材を扱うコーナーが特別に設けられていました。



















現地で食品系のビジネスをする上でこのハラル認証は重要ですが、難点は認証の取得にかかる費用が高いことです。あと、いまこれをビジネスとして海外に押し出していこうという動きがあるそうで、日本で言うところの個人情報保護マークの認証取得などと同じイメージかなと思います。前述しましたが、クアラルンプール市内にはチャイニーズ系が半数近くいて購買力もあるので、日本の食品メーカーは、まずそこをターゲットにするというのもひとつの手だということを聞きました。



あと、この流れで、マレーシア進出(する予定ないけど、したい人向け)についてのことを書きたいと思いますが、まずはコスト面から。東南アジアといえばシンガポールが拠点として思い浮かびます。現地視察にも行きましたが、オーチャード周辺は言葉の違う東京という印象を持ちました。非常に発展している半面、いろいろと高い。例えば事務所の家賃でいうと、名古屋が1坪平均1.3万くらいだとすると、シンガポールが2.7万円、クアラルンプールは0.7万円です。店舗スペースは、シンガポールの8.8万円に対してクアラルンプールが0.2万円と安く、これは現地滞在の方が進出メリットの一つだとあげていました。同じく電気代も名古屋・シンガポールの1/2、水道料金は名古屋の1/5、シンガポールの1/4で済みます。シンガポールのメリットのひとつは法人税で17%ですが、日本が30%、クアラルンプールは22.5%となっています。

あと、現地でIT系の企業に訪問しましたが、いま一番進出するならITじゃないか?ということを言われてました。IT企業向けの特別政策としては、MSC Pioneer Status というのがあって、これを取得すると(国籍関係なく!)従業員に対していくらでもVisaを発行できるようになるそうです。あと、前述していますが、いくつかの言葉も話せるのでITに向いている、と。

その他、IT系の情報として、Facebook の人気が非常に高くてマーケティングで主に使われていること、街を歩いていると頻繁にLINEのCMやグッズを見かけること、スマートフォン文化であること、ゲームは30代以下の男性がほとんどである、ということも聞きました。

日本人の東南アジアでのコミュニティは狭くて仕事をしているとすぐに繋がっていくそうで、私の知人の方を何名か名前を出してみたところ、みなさんについてご存知でした。




















【2013.11.15 追記】
あと、もう少し思い出したことがあるので、追記しておきます。

Wi-Fiについて
空港を始め、KLIA ExpressやKTMコミューターなどの交通機関、ホテル、モールやレストランなどクアラルンプール市内のいたるところで無料のWi-Fiが飛んでいます。ホテルのWi-Fiは快適に使えましたが、空港や街中のWi-Fiはプチプチと切断されたり、突然遅くなったりすることが何回かありました。今回モバイルWi-Fi(wi-ho)を日本でレンタルしてもっていきましたが、郊外であっても概ね問題ありませんでした。

(マレーシア関係ないですが)中部国際空港空港のテレコムスクエア(wi-ho受取)窓口ですが、僕がいったときには担当者が1人しかおらず、前に並んでいた人が当日レンタルの手続きをしていて、それが結構時間がかかるので思わぬ時間ロスとなりました。後ろにも列ができてましたので、余裕を持って行くか前日に家まで届けておいてもらうほうがよいと思います。


左手について
イスラム教では左の手は不浄の手だということで、ガイドブックなどには物を渡したり、人に触ったりする時には絶対に使わない方がいいと書かれています。実際のところ(現地滞在の方はあんまり気にしていないようでしたが)、ホテルの受付の人は必ず左手で右手の手首を握って、右手でカードを受け取ったり、返したりしてました。あと、食事では右手にスプーン、左手にフォークを持って、口に食べ物を運ぶ時は右手で運んでいるように思えましたが、これは気にしすぎかもしれません。


トイレ
マレーシアのトイレには基本的に ハンドシャワー(場所によってはホース)がついています。これで用を足したあと洗い流すわけですが、ホテルのとか比較的キレイなトイレはいいですが、街中のトイレだと衛生的な意味でホースのどこを持ったらいいかちょっと悩みます。あと、トイレットペーパーは設置されていないことが多いです。そのためか、僕が使ったトイレはどれも流す力が弱くて、日本のイメージでカラカラ、カラカラと紙を使っていたら、詰まりそうになってしまって便座を決壊するまであと1cmというところでなんとか流れたということがありました。マレーシアでの一番のピンチでした。




























最後に。

マレーシアについて一言でいうなら「ちょうどよいバランス加減で発展している国で、日本人には住みやすそう。」です。

まず、英語が通じる。医療も悪くない(高度医療はシンガポールになるけど)。街も名古屋みたいな感じで発展していて交通の便も悪くない。治安も心配するほどではないなど。訪問先の社長が「他にいいところがあったら別にマレーシアでなくてもいいけど、いまのところここ。」という話をしていたり、空港に向かう電車で隣に座ったフランス出身の男性(東南アジアを中心に 40年くらい仕事をしていて、神戸や横浜にも来たことがあって、奥さんがマレーシア人)も、「いろいろ国をまわったけ どマレーシアが一番。それなりに発展していて、治安も悪くない、生活するコスト高くもない。」といっていたことなどからもそのことが窺い知れます。




















4日間という短い滞在でしたが、充実した日々を送ることができました。空いた時間はすべて街を歩きました。とにかく歩けば歩いただけ、ふとした瞬間にあるそこに住む人の暮らしが見えてきます。人の集まりが街であり国であるので、建物や乗り物を見ることも重要ですが、街の人たちがどんな感じで暮らしているのかを少しでも多く感じることが、その街や国をより知ることにつながっていくと思っています。なので、3回くらい倒れそうになりましたけど本当に歩けるだけ歩いてきました。とはいえ、やはり数日の滞在では美味しいとこ取りになってしまう部分もあって、このブログでお伝えできることは、マレーシアのほんの一部ではありますが、何かの参考になればと思います。


2013年10月28日月曜日

にいがた産業創造機構主催 クラウドアプリ開発セミナー

クラウドアプリ開発セミナー(にいがた産業創造機構:NICO 主催)での事例発表とパネルディスカッションため新潟市に行ってきました。

























今回の事例ではデータは全てサーバー上にあってパソコンやスマートフォン、タブレットといったマルチデバイスからのアクセスに対応していて、システムの稼働環境がAWS(Amazon Web  Services)を活用しているので、そうした点でもってクラウドアプリと呼んでいます。

参加者の層が幅広かったので、経営者の方向けにはAWSを導入するとどんないいことがあるのかということについて、技術者の方向けにはシステムで使っている各種技術について軽くお話をしました。

短い時間でしたので少し話足りない感が残りましたが、細かなお話は来年あらためて場を設けてやろうということになったので、そこでタップリお話したいなと思っています。


今回事例発表されたクラウドアプリが画期的なものかというとそうではないですが、取り組みの主旨は新潟のIT技術を向上させるために何か具体的なテーマをもってクラウドアプリを作ろうというところなので、(僕がプロジェクトに加わる前も、そして加わったあとも)いくつかのヤマを超えてきてリリースまで持ってこれたというところに、まずは評価をいただけたと感じています。

新潟のIT技術向上なのに三重の会社がやってちゃ意味ないじゃん。という話なんですが、IT技術の向上といってもやり方はいろいろあるので、社内でゼロからやるには予算も時間も取れないので、ひとり経験のある人を加えて一緒に進めながらポイントを掴んでいこうという考え方がひとつ。あと、手段としてIT技術を考えて、技術による勝負じゃなくてノウハウやニーズを使える形に落とし込むための企画力やデザイン力を向上させていこうというのもひとつです。後者の場合は、極論をいえば発注先はどこでもよくて海外の安いリソース活用も可能になってきます。

このプロジェクトを機に他にもIT技術向上のための広がりが出てきているので、これからも継続してご協力できたらなと思っています。

2013年9月30日月曜日

『ウェブ社会のゆくえ―<多孔化>した現実のなかで』読書会 まちライブラリー@大阪府立大学

9月28日に大阪のまちライブラリで開催された「ウェブ社会のゆくえ―<多孔化>した現実のなかで」の読書会に参加してきました。
















当初は関西クラスタ主催のイベントとして、社会学者の鈴木健介さん(著者)を囲んでの小規模な読書会になりそうな感じだったのですが、最終的にTBSラジオの文化系トークラジオ Lifeとの共催ということになって、当日の会場には社会学者たちのほか、ラジオ関係者、編集者、ライター、高校教師、学生など80名ほどの方が参加されていました。

モバイルデバイスとソーシャルメディアの普及によって、いま自分がいる場所に直接関係のない情報が入り込んでくるようになった(これを情報とつながる現実空間にできた穴をイメージして多孔化と呼んでいる)ことが、これまでその空間にあった意味を上書きしようとしている。

例えば、恋人や友人と会っている時にスマートフォンでそれ以外の人とのコミュニケーションを優先してしまうようなことや、教室でいうと静かな授業風景のように見えて実は裏では活発な雑談がLINEなどを使って行われてるといったようなことで、こうした現実に空いた情報の穴を権力のような大きな力で塞いでしまうこともできるけど、そうではなくてこのまとまりのない状態のまま、何か別のものでもう一度まとめていくことはできないのか?という問いかけが本書にあるメッセージのひとつ。(だと思っています)


これまで社会学に触れたことがなかったので、読書会での意見交換も議論の方向性にどこか違和感を感じてたんですが、トークセッションでの社会学っていうのは具体的処方箋を考えるための材料を提供すること、一時期は処方箋を提示することがダサいみたいな風潮があったなんて話を聞くにつれて、ようやく感じていた違和感の理由が、(普段所属している)システムデザインだとかウェブアプリケーション開発といった分野との ”話の落とし所の違い” にあるんだと気づいた次第です。

短い時間ではありましたが社会学というものに触れて感じたことは、社会学っていうのは音楽のようだということです。いま起こっているあるテーマに対して過去からの知識の蓄積(音楽でいうコード進行かな)を踏まえつつ、それぞれの学者のアイデンティティやメッセージを付け加えていってひとつの論(楽曲かな)をつくることで、それ自身が何かを直接解決するのではなくて、それを聞いた人の共感や、別の考えへの発展、ときに何かの具体的な行動へとつなげていくと。

東日本大震災の時にミュージシャンに対して歌ってないで現地に行けみたいな意見がありましたけど、読書会で感じていた違和感そのままで、それぞれの落としどころの違いみたいなものが現れていたんだ-と思い返しました。

個人的には、具体的に落とし込むことの方が性格にあっているんだと実感できたよい機会にもなりましたし、これだけの人が集まっていながら、机に一台もノートパソコンが出ていない集まりっていうのも驚きでしたし(文系イベントだから?)、いろんな分野の方とお話できて1日通して得ることが本当に多くて楽しかったです。

東海でも開催されることを切に願っています。

2013年8月28日水曜日

起業系トーク&Meetupイベント『世界を目指す起業家、地方を目指す起業家』

8月24日(土)に『世界を目指す起業家、地方を目指す起業家』というタイトルで起業に関するイベントを開催しました。スピーカーは、ジーニーズの阪(僕)、スタンドファームの豊吉さん、ワンダープラネットの常川さんの3名。






















とにかくコンセプトとしてこだわっていたのは、セミナーでもパネルディスカッションでもない、居酒屋で起業家同士が語り合っているような "ナマっぽさ" を出したいということ。なので、事前の打ち合わせとかしてなくて(というか当日までほとんど何も伝えてなくて)、開始直前に少しだけ方向性を確認したくらい。

居酒屋で話す前に打ち合わせなんかしないじゃないですか?でも、いつだって面白い話になるし、特にこの2人となら面白くならない訳がないっていう確信もあって、それを個室でやるんじゃなくてみんなとシェアしたら、3人にとっては何気ない会話も聞く人によってはすごい価値になるんじゃないか?なんていうのが、考えていたところで。



あと、こういう人前で何かを語るっていうことに対して 『成功もしていないし、著名人でもないから、まだ自分はそういうステージにない。』 みたいな感覚があるようなんだけど、それって何か今っぽくないよなあって思うところがあって、ネットに目を向けてみると、おじさんから若者まで、ジャーナリストでもない人たちが日々社会に対して発言してるのになんでリアルじゃ駄目なんだよ、と。

ただ、セミナーや講演会みたいにやっちゃうと確かにダメかもしれないというのも分かっていたので、イベントのスタイルとしてこの形をとったということです。国民総スピーカー時代とまではいかないだろうれど、オープンなリアルの場で何かを語るというのはいま以上に一般化する可能性があって、その時には今回のようなスタイルのほうが向いてるんじゃないかな?なんて思っています。


















トークセッション終了後の第一感としては、やりたかったことの60%くらいしかできなかったかな、という感じ。スピーカーの2人は、「また違うステージになったときにやりましょうよ。」 って言ってたし、参加した人たちからは、「形式ばった話じゃなくて普段は聞けないような話が面白かった。」 という趣旨の感想がいくつも寄せられてて、それなりに満足してもらっていたようなんだけど、どこか素直には喜べない感じが残ってました。

それが、ソーシャル上での「家でも考えてしまった」というつぶやきをみたり、イベントの参加者と別の交流会であって「何か答えのあるイベントじゃなくて、あのモヤモヤ感をそれぞれで形にしろっていうことですよね」なんて話を聞いたりしているうちに、あ。これでよかったのかもと思えるようになってきて、ようやくブログを書くまでに落ち着いてきた感じです。





















さて、肝心の『世界を目指す起業家、地方を目指す起業家』という内容なんですが、正直なところタイトル通りの話には全然ならなくて、結果として釣りっぽくなっちゃったんですが、その後で豊吉さんがまとめたブログ記事『地方での起業について話をしてきました』への反応として、そうそう俺もそれ感じてたんだよ。っていうメッセージが多く寄せられていたので、テーマとしてはもうちょっと深堀してみてもいいかな?なんて思っています。

たぶん、豊吉さんなりに裏でしっかり準備してもらってたんだと思うんですよ、なのに僕が全然その内容を引き出せなかったから...その鬱積をまるで一筆書きで晴らすかのような勢いのある良記事ですので、ぜひご一読あれ。



























トークセッションのあとには、Meetupセッションというお茶を飲みながら参加者同士で交流できる時間を用意しました。いろんな人と話すことで掴めることも多いでしょうし、せっかく50名近い人に集まってもらっているので、一度に人脈が大きく広がる機会にもなりますから。主催側としても人数さえ集まれば交流会失敗するってことはまずないので、ギャンブル的要素の多いトークセッションを補完する意味でも重要なセッションです(笑





イベントの総括としては、"ほんと、やってよかったな" という感じです。みなさん楽しそうだったし、個人的にはイベント全体を通していろいろと吹っ切れたというか、次への余白ができたみたいな感覚を持てましたし。それに "ナマっぽさ" を出すには、どこまで準備して、どこまで準備しないのがいいかっていう力加減みたいなものが掴めたのも大きかった。

ただクオリティとしては目指していたところからは60%くらいだったので、次あるかどうかまだわかりませんけど、この経験をどこかにはつなげていきたいなと思ってます。



最後に、今回ドリンクをご提供いただいたサントリーさん、誠にありがとうございました。冒頭に失礼なご紹介となってしまい大変申し訳なかったです...。

運営をお手伝いいただいたみなさん、大変お疲れ様でした。みなさんのおかげで準備から受付、交流会、そして片付けまでスムーズに運営できました。本当にありがとうございました。打ち上げ楽しかったですね(笑

スピーカーの豊吉さん、常川さん、ありがとうございました。またゆっくり "四日市で" 飲みましょう。


そして、今回ご参加いただいたみなさん、誠にありがとうございました。今回のイベントがみなさんにとって何か次につながる時間となっていたら幸いです!



2013年6月25日火曜日

三重大学 アントレプレナー論

先日、三重大学のアントレプレナー論で一時間ほどお話をさせていただきました。この講義で話すのは昨年に引き続き二度目になります。アントレプレナーと銘打ってはいますが、選択している理由はそれぞれで、起業したい!という元気な人ももちろんいますが、なんか楽しそうだからという軽いノリの人もいます。

























あらかじめ一年生の割合が多いと聞いていたので、高校を卒業して間もない、働いた経験がほとんどない、そんな学生たちに何をどう伝えたらよいのか?ということが今回の課題でした。

そこで、会社員としての九年間、会社役員としての七年間で感じたことや、経験豊かな先輩・友人たちから学んだことを元ネタに起業にまつわる質問を投げかけて、一緒に考えるというスタイルでやってみることにしました。題して「いま聞いてみたい7つの質問」タイトルはもうちょっと時間かけたらよかったかなと…

例えば、「どんなことに取り組んでいますか?」という質問をして、それぞれのビジネスアイデアについて話してもらうのですが、具体的に話す人もいれば、抽象的な人もいる。何人かに聞いたところで、「自分のやっていることの伝え方として Elevator Pitch っていう考え方があって…」というように事業内容を15秒で印象付ける大切さについて話す。この流れなら、内容をより身近に感じて理解しやすくなるんじゃないかというのが狙いです。

















他には、「どんな資本を持っていますか?」や、「あなたにとって成功とは何ですか?」なんて質問をしてみました。

案の定、資本というとお金、人、施設といった教科書通りのものが返ってきます。じゃあ、資本が事業を前に進めるための原動力となるものだとすると他にどんなものがありますか?とヒントを出して聞いてみますが、なかなか思いつかないようです。アイデアもそうだし、熱意や行動力、知識、さらには共感やその人自身の魅力など、起業するときの資本となるものはいろいろとあります。一番重要な資本は熱意かと思いますが、共感なんていうのは今っぽくて、やりたいことがみんなの共感を得られれば、クラウドファンディングを使って事業を始められますから、アルバイトしてお金ためる必要はなくなってきています。



あと、一体どんな返事がくるのかな?と興味があった「努力は報われますか?」という質問。報われると思う、に誰も手を上げない。報われないですか?報われると思うひと?と再度聞いてもやっぱり誰も手を上げない。

困難な時代を生きる君たちへ(内田樹の研究所)

で語られているような、努力と結果の関係の希薄化感みたいなものが共通の感覚としてあるのかな?と思う一方で、話しながら画面に写していたHONDAの「負けるもんか」が、思いのほか共感を得ていたところをみると、努力自体に冷めているという訳でもなさそうでした。













以前、セルジオ越後さんが「フィールドに立てる人より、立てない人の方が多いんです。だから、フィールドよりもスタンドの方が広いんです。これからの日本は、もっと(プロサッカー選手を目指すという)プロセスにフォーカスをすべきです。」という講演をされていたのが印象的でしたが、起業家だけでなく、これからのサラリーマンにとってもプロセスにもっとフォーカスするという着眼点は大切で、そのことについて何か伝わるものかあればというのがここでの主旨でした。
















まあ、とはいえ「道徳のない経済は罪であり、経済のない道徳は寝言である。」と二ノ宮金次郎先生も仰ってる通り、商売である以上、理想的過ぎてもいけないよ。ということを伝え忘れたのは痛かったですが…。


講義の締めくくりには「起業できる人とは、どんな人ですか?」という質問をしてみました。

精神力の強い人、計画力のある人など返ってきますが、個人的には、アントレプレナー論を担当されている武田先生の受け売りで「そうした星の元に生まれた人」だと思っています。

選ばれた人のみがやれる崇高な職業…なんていう話ではなくて、これは生まれつきの性分というか、起業準備中です!という勉強歴10年強の人や、こんな会社辞めていつか独立する…が口癖の順調に昇進を果たす課長みたいなケースが結構多くて、なんかできない人はずっとできないのかなと。なので、起業するという一歩を踏み出せるかどうかは、性分なんだと思う訳です。

ただ、誤解を招くといけないので補足したのは、起業する人がサラリーマンより優れてるとか、そういうことではないということ。むしろ起業する人の方が、社会不適合な感じに溢れていたりします。個人的にも八時半に出社とか無理でしたし…。自分の力を使うポジションの違いでしかないということです。




こんな感じで、答えなんて無いテーマについて学生のみなさんと一緒に考える時間が持てたのはすごく良かったなと感じています。たくさん質問もしてくれて嬉しかったです。オマケですが、将来、自分で会社を起こすにせよ、どこかに勤めるにせよ、人生の分岐点で読むといいかも?と思っている二冊の書籍を紹介して、 お時間となりました。

アルケミスト―夢を旅した少年 (角川文庫―角川文庫ソフィア)

イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ


ITの世界なんかは特にそうですが、世界を変える!が口癖みたいになっているところがあって、考えてるより、議論してるより、動け。っていう風潮もあって、まあごもっともなんですが、いくらお金が動いたのか?とか、どんなルールや仕組みができたのか?という物質主義的なことだけじゃなくて、人の考えや気持ちを動かすことも世界を変えていることのひとつだと。そういう意味で、この二冊は世界を変えているといえる書籍です。


今年もこのような貴重な機会をいただいた武田先生、ありがとうございました。来年も、よろしくお願い致します(笑

2013年5月16日木曜日

金城学院大学e-コマース特別講師「心地よさの話をしよう」

先日、金城学院大学で特別講師をさせていただきました。2010年からなので今年で四年目になります。

話す技術は一向に進歩しないですが、80名の女子大生を前に話をするという貴重かつハードな実践経験を重ねてきて、滑ろうが事故ろうが心が折れないという耐性を得たなと実感してます。



















午後イチの授業で淡々と語るという、けっこう眠たくなるパターンにも関わらず真面目に聞いてくれる人が多くて嬉しかったです。内心、「心地よさの話をしよう」といっときながら、なんか講義自体に心地よさが無いよねっていう矛盾にどうか気付かないで・・・と、ずっと思ってましたw




本来のテーマはe-コマースがなんですが、それを取り巻くインターネット環境ついて知るのも大切だよね。ということで、例えば、2010年にはFacebookの話をしています。その頃は、企業もFacebookについてまったく気にかけていない状況で、学生でアカウントを持っていたのは140名のうちの5名だけ(みんな留学経験あり)でした。講義としてFacebookをテーマにしたのは、この辺りの大学では初だったんじゃないか?と思っています。そんな中で「これから、このFacebookを使って販売やプロモーション、採用なんかが行われる時代が来るんですよ」なんて話をしてもイマイチ現実味がなかったかも知れませんが。

続く2011年にソーシャルメディアマーケティング的な話、昨年はco-creation。で、今年はどうしようかなといろいろと考えて、技術や仕組み的な話よりも少し人間寄りな話がしたいなと思って「心地よさの話をしよう」にしました。


ソーシャルメディアがこれだけ浸透したのも、デフレが長らく終わらないのも、そこにはなんらかの心地よさがあるからなんじゃないか?それが今回の主旋律です。


Facebook のフィードを見ていて思うネガティブな投稿の少なさや、料理写真SNSのmiilでよく見かける「彼氏も大満足!」「子供達も大喜びでした!」なんていう幸せアピール付きの手料理写真など、フィードを流れるみんなの充実してる写真やメッセージから見えてくるのは、ソーシャルメディアが持つ心地よさっていうのは、そういう私充実してます!私ってこんなメッセージに共感する人なんです!という、"素敵な自分を知ってもらいたい欲求" を満たしてくれるところにあるということ。

あと、学生さんからは、


っていう、人の自分とは違う暮らしを見るところに面白さがある。なんて意見があって、なるほど受け手側からの視点で見えてくるものもあったかな。なんて思いました。


次にデフレですが、専門的な分析はできませんけど、心地よさの視点から見えてくるのは、簡単に言えば500円でお昼食べてコーヒーが飲めるということ。給料は上がらないし貯金は増えないけど、液晶テレビは10万円を切ってパソコンが5万円を切るなかで、実は買えるものが増えていっているという状況での心地よさです。多くの人がこれを良しとしているうちは、デフレからの脱却なんて難しいんじゃないかと思うわけです。それに代わる心地よさ、牛丼が600円になってもいいと思える何か別の心地よさが出来たときに本当の出口が見える気がしています。




















講義では、ソーシャルの原動力となっている感情的な部分にフォーカスして、情報の発信、拡散へと繋げていって最終的に企業活動への参加を促していくことが大切。という部分にも触れました。

ネットで見かけるソーシャルの成功事例っていうのは、既にブランドが確立されている場合が多くて、小さな会社が同じように「みなさんのご意見からウンヌン・・・」なんてやってもたぶん上手くいかない。なので、そうした参加を促したいのであれば、まず自分たちが情報を発信・拡散するところからです。という流れで、いま日本で一番情報発信が熱い会社、株式会社LIGを例にコンテンツ発信のポイントを話していきました。

はじめ、LIGの紳さんから一言もらって色付けて話そうかな。なんて思っていたんですが、返ってきたアドバイスが奥義手前の充実度で、これだけで1講義できそうなくらいでした。なので、そっくりそのまま伝えました。感謝していますというかビックリしています。ちなみにLIGを知っている学生さんはいませんでしたが、その分、レポートにそのことを書いている学生も多くいて印象に残っていたようです。


あと、締めとして触れたのが、参加を受け入れる側の体質というか文化の問題。これは、そもそも論になってしまうのですが、参加の仕組みづくりや、参加したいと思えるインセンティブづくりも結局はマスキングテープのmtの事例(こちら)や、人事評価を社員に委ねているワンダープラネット株式会社のワンダーポイント(こちら)に見られるように、それを実施できる企業体質があるかどうかに左右されるという話で、それをやろうとする組織に参加を受け入れる懐がなければならず、これが成否を分ける重要な土台だと思っています。


最後に 今回も貴重な機会を頂いた武田先生と、貴重なアドバイスを頂いた竹内さんに感謝の意をお伝えして、この辺で。ありがとうございました。

2013年3月25日月曜日

AWS管理画面へのログインに二段階認証(Multi-Factor Authentication)を導入する

AWSの様々な操作ができるマネジメントコンソールはとても便利です。しかし、もし万が一、不正アクセスを受けてしまうと取り返しのつかない状況になってしまいます。

デフォルトでは、メールアドレスとパスワードによる認証になっていますが、MFAというスマートフォンなどのデバイスとAWSを連動させて二段階の認証を行う方法に変更することで、セキュリティを高めることができます。

ただ、その連携させたデバイスが壊れてしまったり、紛失してしまったりすると、自身もログインができなくなってしまいます。いくら堅牢とはいえ、これは少し気がかりですので、本記事ではこの問題への対応策も合わせて記載しています。


※ご注意※
二段階認証の設定は、ミスをしてしまうとAWSにログインできなくなってしまう可能性があります。またこの方法が、他の環境でも同じようにうまくいくのかの確認はとっていません。設定はすべて自己責任でお願いします。


デバイスの準備

本記事は、iPhone あるいは iPod Touch を前提に記載しています。正確には、iPhoneアプリとして配布されている Google Authenticator を認証キー(6桁の数字)の表示に使います。Android版もあるようなので、本記事の方法で設定できる可能性はありますが、確認はとれていません。

Apple Store から、Google Authenticator をダウンロードして、インストールしてください。(こちらから


AWSマネジメントコンソールでMulti-Factor Authenticationを設定

二段階認証の設定は、AWS Multi-Factor Authentication(http://aws.amazon.com/jp/mfa/)により行います。通常のログイン方法で管理コンソールにアクセスして、IAMの画面に進みます。


IAMの画面の Security Status に Root Account MFA という箇所があります。ここが、Disabled となっていると思います。これは、二段階認証にはなっていないことを意味しています。


1.設定を行うために Manage MFA Device をクリックします。




























2.二段階認証のためのデバイスを選択します。ここでは、専用のハードウェアではなく、スマートフォンを使いますので、A virtual MFA device を選択して、continue をクリックします。













3.次にスマートフォンへ認証キーを表示するためのアプリケーションをインストールするようにメッセージが表示されますが、先にインストールしていますので、continue をクリックします。












4.デバイスと連携させるためのシークレットキーがQRコードで表示されています。ここで、

 Hide secret configuration key を押して、シークレットキーを表示させ、メモをとって大切に保管してください。

これがデバイスを失った時に必要な情報になります。


























メモをとったら、Click here to enable your device をクリックします。



5.次に、iPhone にインストールした Google Authenticator を起動します。右下のプラスアイコンを押すと、トークンを追加する画面になります。アカウントとキーを入力する欄がありますが、QRコードから読み取るボタンを押せば入力は不要です。コードが読めないなど、手入力するときは、アカウントにAWSにログインする時に使っているメールアドレス、キーに先ほどメモをしたシークレットキーを入力してください。






















6.登録を完了すると、画面に六桁の数字が表示されるようになります。この数字は、一定時間が経過する毎に変わっていくと思います。これが二段階認証で使う認証キーです。





















7.これで準備は整いましたので、この認証キーを二つ使ってAWSとデバイスを連携させます。まず、いままさに表示されている認証6桁の数字を 認証コード#1 欄に入力します。その後、しばらく待って次の6桁の数字が表示されたら、その数字を 認証コード#2 欄に入力して、認証デバイスをアクティベートをクリックします。

















8.入力値に問題がなければ、AWSとデバイスが連携されます。











デバイス喪失への備え

1.ここからは、いざというときの備えになります。冒頭で書きましたが、デバイスの喪失への対応として、ウェブ版の Google Authenticator を準備します。Git からファイルがダウンロードできますので、 こちらから Git にアクセスしてZIPをクリックしてください。






















2.ダウンロードしたアーカイブを解凍すると、展開されたフォルダに index.html があります。それをブラウザで表示してください。ウェブサーバーにあげる必要はありません。ローカルでそのまま実行できます。iPhone版のGoogle Authenticator と同じようにトークンが追加できます。左上のプラスボタンを押してください。



3.iPhone と同様にアカウントのメールアドレスとセキュリティキーを入力して、Add を押します。




















デバイスとブラウザで同じ数字が表示されていれば、正常に登録できています。なお、このウェブ版 Google Authenticator は、デバイスに問題が出た場合への備えですので、普段はセキュリティキーと共に安全な場所に保管しておいてください。

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