2013年5月16日木曜日

金城学院大学e-コマース特別講師「心地よさの話をしよう」

先日、金城学院大学で特別講師をさせていただきました。2010年からなので今年で四年目になります。

話す技術は一向に進歩しないですが、80名の女子大生を前に話をするという貴重かつハードな実践経験を重ねてきて、滑ろうが事故ろうが心が折れないという耐性を得たなと実感してます。



















午後イチの授業で淡々と語るという、けっこう眠たくなるパターンにも関わらず真面目に聞いてくれる人が多くて嬉しかったです。内心、「心地よさの話をしよう」といっときながら、なんか講義自体に心地よさが無いよねっていう矛盾にどうか気付かないで・・・と、ずっと思ってましたw




本来のテーマはe-コマースがなんですが、それを取り巻くインターネット環境ついて知るのも大切だよね。ということで、例えば、2010年にはFacebookの話をしています。その頃は、企業もFacebookについてまったく気にかけていない状況で、学生でアカウントを持っていたのは140名のうちの5名だけ(みんな留学経験あり)でした。講義としてFacebookをテーマにしたのは、この辺りの大学では初だったんじゃないか?と思っています。そんな中で「これから、このFacebookを使って販売やプロモーション、採用なんかが行われる時代が来るんですよ」なんて話をしてもイマイチ現実味がなかったかも知れませんが。

続く2011年にソーシャルメディアマーケティング的な話、昨年はco-creation。で、今年はどうしようかなといろいろと考えて、技術や仕組み的な話よりも少し人間寄りな話がしたいなと思って「心地よさの話をしよう」にしました。


ソーシャルメディアがこれだけ浸透したのも、デフレが長らく終わらないのも、そこにはなんらかの心地よさがあるからなんじゃないか?それが今回の主旋律です。


Facebook のフィードを見ていて思うネガティブな投稿の少なさや、料理写真SNSのmiilでよく見かける「彼氏も大満足!」「子供達も大喜びでした!」なんていう幸せアピール付きの手料理写真など、フィードを流れるみんなの充実してる写真やメッセージから見えてくるのは、ソーシャルメディアが持つ心地よさっていうのは、そういう私充実してます!私ってこんなメッセージに共感する人なんです!という、"素敵な自分を知ってもらいたい欲求" を満たしてくれるところにあるということ。

あと、学生さんからは、


っていう、人の自分とは違う暮らしを見るところに面白さがある。なんて意見があって、なるほど受け手側からの視点で見えてくるものもあったかな。なんて思いました。


次にデフレですが、専門的な分析はできませんけど、心地よさの視点から見えてくるのは、簡単に言えば500円でお昼食べてコーヒーが飲めるということ。給料は上がらないし貯金は増えないけど、液晶テレビは10万円を切ってパソコンが5万円を切るなかで、実は買えるものが増えていっているという状況での心地よさです。多くの人がこれを良しとしているうちは、デフレからの脱却なんて難しいんじゃないかと思うわけです。それに代わる心地よさ、牛丼が600円になってもいいと思える何か別の心地よさが出来たときに本当の出口が見える気がしています。




















講義では、ソーシャルの原動力となっている感情的な部分にフォーカスして、情報の発信、拡散へと繋げていって最終的に企業活動への参加を促していくことが大切。という部分にも触れました。

ネットで見かけるソーシャルの成功事例っていうのは、既にブランドが確立されている場合が多くて、小さな会社が同じように「みなさんのご意見からウンヌン・・・」なんてやってもたぶん上手くいかない。なので、そうした参加を促したいのであれば、まず自分たちが情報を発信・拡散するところからです。という流れで、いま日本で一番情報発信が熱い会社、株式会社LIGを例にコンテンツ発信のポイントを話していきました。

はじめ、LIGの紳さんから一言もらって色付けて話そうかな。なんて思っていたんですが、返ってきたアドバイスが奥義手前の充実度で、これだけで1講義できそうなくらいでした。なので、そっくりそのまま伝えました。感謝していますというかビックリしています。ちなみにLIGを知っている学生さんはいませんでしたが、その分、レポートにそのことを書いている学生も多くいて印象に残っていたようです。


あと、締めとして触れたのが、参加を受け入れる側の体質というか文化の問題。これは、そもそも論になってしまうのですが、参加の仕組みづくりや、参加したいと思えるインセンティブづくりも結局はマスキングテープのmtの事例(こちら)や、人事評価を社員に委ねているワンダープラネット株式会社のワンダーポイント(こちら)に見られるように、それを実施できる企業体質があるかどうかに左右されるという話で、それをやろうとする組織に参加を受け入れる懐がなければならず、これが成否を分ける重要な土台だと思っています。


最後に 今回も貴重な機会を頂いた武田先生と、貴重なアドバイスを頂いた竹内さんに感謝の意をお伝えして、この辺で。ありがとうございました。
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