2015年7月13日月曜日

楽しいをつなげよう!リアルとデジタルがピタゴラスイッチ(ScratchとMESHとWedoもあるよ) 三重県の子供向けプログラミングワークショップLittle Coder Mieの話




男には、人生で何度か ”決めないといけない瞬間” というものがあります。普段どれだけ頼りなかろうが、その瞬間だけはきっちりと決めないといけない。男として。

そして今回のLittle Coder Mieは、まさに僕にとっての ”決めないといけない瞬間” であったわけです。


総勢13名の子供たちがつないできたピタゴラのスイッチを受け取り、女性スタッフの水野さんが作ったクス玉を割る。MESHWeDoという2つの最新ガジェットを駆使した僕のピタゴラ装置によって。

クス玉が割れた瞬間、歓声とともに僕のもとに駆け寄る(であろう)子供たち、そして、そんな子供たちに囲まれて一緒に喜ぶ僕の姿を笑顔で見つめる(であろう)スタッフたち。水野さんにいたっては、感動のあまりにもしかするともしかするかもしれない、僕妻子いるけど。

とまあ、そんな感動のフィナーレが容易に浮かぶわけです。容易に。
















さて、今回のLittle Coderですが、ScratchとNanoBoard(音や光、接触などに反応するセンサーボード)を使ってリアルとデジタルが交互にピタゴラスイッチするという構想。これ間違いなく面白いでしょ!と思ってました。

簡単に説明すると、

1.ドミノが倒れていき、最後にアルミホイルを巻いたドミノが倒れる
2.床に貼ったアルミホイルと最後のドミノが接触、NanoBoardのセンサーが反応
3.NanoBoardからScratchに信号が送られ、プログラムが開始される
4.子供たちが絵を描いたボールが画面の中を転がる
5.ボールが画面の端の絵のドミノに触れたら、ScratchからNanoBoardに信号を送られる
6.それによりモーターが回転、ストローが倒れて隣のドミノへ

ざっとこんな感じです。















そして、最後のフィナーレを飾るクス玉までの仕掛けがこちら。


1.ビー玉を止めているドミノが倒され、ビー玉が転がってゆく
2.ビー玉の先にあるMESHのMove Tagが倒れる(これによりiPadに信号が送られて1秒後にカメラで撮影)
3.その先のドミノも倒れて、Wedoのワニさんの口にある距離センサーが反応、Scratchに信号を送る
4.Scratchの制御によりワニさんが口を閉じながらクス玉につけられた紐を引っ張り、クス玉が割れる。
5.子供たちの歓声と笑顔。そして、iPadにはその満面の笑みが写っている

という仕組みです。























実は、3時間ずーっと、本当にずーっと調整を続けてまして現場がどうなっていたのかまったくわかってません。レゴとクス玉の記憶しかない。笑 なので詳細は、こちらの公式ブログをご覧ください。


そして1度リハーサルを行ったあとの本番。ついにその時がきた ”決めないといけない瞬間” の動画がこちらです。(ぜひ音声とともにお楽しみください)






(以下、ブログは続きます)















もうね、酷い。


ビー玉は、勢い余ってどっかへ飛んでいくし、クス玉なんて割れないどころか引っ張る紐を間違えてるので人がやったって開かない、ですよ。

最後の画面に写っている少年の顔みました?

あの「....あれ?これ、やっちゃった?」っていう表情がね、目に焼き付いてしまって。離れないんですよ。こんなもん水野さんがもしかするかもどころか、家族に見せたら


3歳の娘「おとうちゃんくさい」
嫁さん「これからは自分の人生を歩みたい」


ってなるにちがいない。少なくとも夜のおかずが一品減ってしまう。スタッフだって、

「あいつ...手伝いもせず自分だけ楽しそうにやってたくせに...」

状態ですよ、ほんとに。ゴール前のドフリーを外したヤナギサワの気持ちがわかった、いまわかった。








でも、そんなボロボロの状態の中、MESHのMove Tagから信号を受け取ったiPadが残した写真がこちらです。




















み、みんな笑ってる...涙




いやね、本当にクス玉割りたかったです。うまく割りたかった。


でも、子供たちに救われた気がしています。大人からしたら途中でドミノが止まっちゃうとか完全に失敗なわけですよ。でも、子供たちって全然そんなことなくて止まったら手でちょこんて押したらいい。なんか、もっと本質的なところというか、作ることや動くことや、場合によっては動かないことも含めて全部楽しんでいる。そんな感じでした。

ワークショップ後のアンケートの結果もこれまでになく好評で、ほぼ全員が最高の「すごく楽しかった」に丸をつけくれていました。まさしく今回のタイトル通り「楽しいがつながる!」になってたんだと思います。




あと、今回もう一つ嬉しいことがありまして。















先日の三重大学アントレプレナー論での講義を受けていた学生さんがお手伝いに来てくれました!

Little Coderってすごくいいイベントだと思うんですよ。なので、若いエンジニアの方にはぜひ参加してほしい、というかなんでやんないのよ?くらいに思っているのですが、なかなか若い人来てくれないっていうのがあって、講義のときにもし興味あればと声をかけたのですが、来てくれたことは本当に嬉しかったです。


僕としては、これからもよろしくお願いします。とは思っていなくて、それよりもぜひ三重大学として学生さん主導で子供たちにプログラムを体験する機会を作ってほしい。そこに期待しています。実現するのであれば、僕はいくらでも手伝いにいきますし、できる限りはありますけどリソースとか人脈は提供したいと思っています。



次回のLittle Coder Mieは、11月開催です。


「楽しいをつなげよう」Scratch×センサーボード×ドミノのレポート|Little Coder Mie 公式ブログ



2015年7月9日木曜日

三重大学アントレプレナー論 / 起業家マインドの醸成「未熟さの価値 2015年版」

最近のブログが、Little Coderか大学の講義の話題しかないのはいかがなものか?と思っておりまして。特にPodcast(こちら)を始めてからというもの、考えも雑なままに言いたいことを自由に話せていることがアウトプット欲を満してしまっていて、ブログが二の次になっているという状態です。

ブログは腰を据えて書かくもの!みたいな感じになってきているので、少し気軽な記事をかいてみようかな?なんて考えています。


さて、先週末に三重大学で講義を1コマ担当させていただきました。アントレプレナー論/起業家マインドの醸成という講義でして、ここ5年ほど関わらせていただいています。

ただ、今年はいつもの時期になってもご依頼がなく気にはしていたのですが、先月に金城学院での講義もありましたし、仕事のスケジュールが詰まってきていたこともあってそっとしていたところ1週間ほど前にご連絡をいただき、もちろん断る理由などないのでお受けした次第です。




















アントレプレナー論でお話しする内容は、秘伝のタレのごとく毎年継ぎ足し継ぎ足しでやってきていて基本的には去年の内容(こちら)がベースになっています。で、そこに今年は何を足そうか?とこの1年を振り返ってみたら、「辛さ」に対してどう向き合うかということについて知人の出来事を通じて再確認する機会が何度かあって、じゃあこれを入れてみようと決めました。

で、今年の学生のみなさんと一緒に考えてみたい5つの質問+おまけというのがこちら-

1.成功とはなんですか?
2.”わたし” とはなんですか?
3.努力は報われますか?
4.辛さ、とはなんですか?
5.価値とはなんですか?

おまけ.起業できる人とはどんな人ですか?


本当はこれを面白く楽しくお話ししたかったのですが、気持ちのどこかに準備不足感があったこと、いつもなら失笑されるポイントが軒並みスルーされるという不測の事態となったことなどもあって、非常にお堅い感じとなってしまいました。『Interestではあるかもしれないけれど、決してFunではない』という以前からの課題が解決できなかったと反省しています。

ただ、学生のみなさんは一生懸命に聞いてくれていて、というか、最後の質問が過去最大に厳しくて冷静に聞いてもらっていたんだ、となんだか救われた気持ちです。











去年と同じことも多いので抜粋して書きたいと思うのですが、まず、去年の ”わたし”とは何か?という問いに対するところがファンタジー過ぎたと反省していまして、ただ大切なところでもあるので少し落ち着いた説明を心がけたのですが、なんとか伝わったかな?みなさんに考えてもらうきっかけになったのではないかな?と思っています。

























そして今年新たに追加した「辛さ」とは何か?という問いですが、

いまは本当にありがたいことに、ソフトウェアの開発だけじゃなくて他分野の仕事をさせてもらったり、いろんな方々とPodcastやイベントやったりして、数年前の三重から一歩も出なかった自分からは想像もできないほど、社会との豊かな関わりをいただいているのですが、そのきっかけとなったことの多くが良いのか悪いのか「辛さ」に起因しています。

そして、そのすごく辛いことや理不尽なことが起こるときというのは、いろいろと小慣れてきてその現状に甘んじようとしてるとき、つまり変わろうとしないとき、変わってこなかったときに、その代償のごとく嫌なことが起こる、と。

ただ、そのときに思いきって状況を変えてきたこと(例えば1年間ほぼ仕事しないで人と会うことだけをずっとやってたり)や、いい表現がわからないのですが過去と戦わずに(あいつを見返してやるとか、仕返ししてやる的な考えをせずに)スパッと諦めて違うフィールドに変えたことがいまの土台となっています。

つまり僕の場合は、辛さというのが環境を変えるきっかけになって豊かな現在があるし、それに気づけたことで辛さに対して結構ポジティブに対応できるようになったわけです。ただ、最近ポジティブ過ぎて、辛いことが起こる=ラッキーみたいになっているところがあって、もうちょっと傷つかないとなと逆に思っています。


















こういう話に答えはないということで、毎年学生と一緒に考えてみるというスタイルの講義にしているのですが、今年はそれぞれの評価軸が多様なのか、響いたポイントがバラけていたのが特徴だったように思います。


あとですね、アントレプレナー論=自己啓発論的な類のものなのでは?とレポートに書いている学生さんがおりまして、その通りです。つまりは、キラキラ系です。












お声がけくださった武田先生、今年も貴重な機会をいただきましてありがとうございました。また来年もキラキラした講義をしたいと思っています!よろしくお願いします!



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