三重大学工学部特別講義の様子 |
例年、三重大学のアントレプレナー論、金城学院大学での市場調査論の2つに関わらせていただいておりますが、正式には講師ではなく、講師の武田先生から1枠をお預かりするかたちでお話をさせていただいております。つまり、ゲストスピーカーです。
今年は、それに加えて三重大学工学部工学科から正式に非常勤講師として3時間の特別講義の機会もいただきまして、もちろんお断りする理由などなく一つ返事でお受けした次第です。
大変に名誉なことであると同時に責任も感じておりまして、5月に2つ、6月に1つの講義を受け持つというのは、準備にとても時間かかってしまう性格なうえに本業も進めながらということもあって気が気ではない状況に加えて、これまでやってきた内容に対して疑問が出てきたりして精神的に厳しかったのです。ただ講義を終えての気持ちは、満足はしていないもののスッキリはしていて、いま自分ができることはやりきったかなと思っています。
まずは、5月15日に金城学院大学での市場調査論。20数名の学生さんが受講されていました。
ここ何年か市場調査論でお話させていただいているのですが、ITトレンドのお話は変化していきますので毎年調整していまして、今年は、ディープラーニング、チャットボット、マストドンのお話のほか、実際にAmazon Dashボタンに触ってもらったりなどもしました。実際に触れられるものっていうのは、学生のみなさんに伝わりやすいですし、ちょっとしたブレークタイムにもなったので持っていってよかったなと思います。
もちろん市場調査の話や、そこから少し進んでマーケティング(市場調査論だけだと地味なんですよね。。)のお話、特にインターネットのメディアの変遷と消費者の購買動機の移り変わりなどは伝えておきたい部分で講義内容にいれました。
次に5月26日のアントレプレナー論。こちらはレポート数によると43名の学生さんが受講されていました。
これまで6年お話してきて、、6年お話してきたのに、、いまさらながらこの内容でよかったんだろうかという疑問が出てきたのがこの講義です。一番の疑問は、「話がネガティブすぎやしないか?」ということでした。
起業の話なので、みんな夢持ってさ!とか、社会をどう変えていきたいの!?みたいなお話したほうがやっぱりいいんじゃないかと思えてきて、実際に悩んでても何も変わらないし、間違ってても人からダメだといわれても前に進む熱意が一番大切でそれにつきるんだよな、というのはわかっていながら、あえてそこから少し軸をずらしてお話するというコンセプでこれまでお話してきたのですが、果たしてこれでよいのだろうか?と。
ただレポートを読んでいるとそれぞれに受け止めていてくれたようで、学生さんの感性に救われたように思います。
あと、以前に講義を受けてくれた学生さんや人生の先輩が講義を受けられていることを、そのことを事前にお聞きしておりまして密かに緊張していました。笑
特に僕よりずっと年上の方に人生系の話ですからね笑、緊張しますよ。
最後は、6月14日の三重大工学部工学科での特別講義。3時間という長い時間でしたが、「教養としてのIT」というテーマでゲストスピーカーのご協力も得ながら、お話させていただきました。こちらは70名を超える学生さんが受講されてました。
ITの技術トレンドのお話からはじまり、東海地方のIT系企業の職種や使われている技術、仕事としてのプログラミングと学業としてのプログラミングの違いなど、僕のこれまでの人生のネタを使い切るつもりで幅広くお話をさせていただきました。
最初1時間程度お話をしたあと、ゲストでお越しいただいた三重大工学部OBの澤田さん、株式会社FIXERの吉田さんと関さんから、それぞれの視点でエンジニアとして働くということについてのお話をいただきました。講義の幅が広がりましたし、学生さんにも好評でよかったです。
そのあともう一度僕の時間に戻って今回のテーマである教養としてのITについて。 工学部でのお話ということもあって、教養としてのITを
社会 += IT::わたし(素養, 学識, 経験);
という関数(PHPerなので...)で表現してみたのですが、教養というのは、素養(普段から心がけて身につけた技能や知識)・学識(学問としての知識)・そして経験という3つの要素から成り立っていて、これらを社会との関係性のなかに還元していけることであるとしたときに、自分たちだけが理解できるITではなくて、社会に対する適切な表現がみつけられること、そのためにも単に技術としてではなく「教養としてのIT」という視点で取り組んでいくことが、いまの学生さんには必要だと思います。
工学部での講義はもちろん初めてだったのですが、同じ空気感というか、あるあるが共有できる感じがしてとても楽しくお話できました。機会があればまたお話したいです。あと、レポートの書き方が他の講義とはまったく違っていて新鮮でした。
今年も貴重な機会をいただいた武田先生、工学部の講義にお声がけいただいた河合先生に感謝申し上げます。ありがとうございました。