男には、人生で何度か ”決めないといけない瞬間” というものがあります。普段どれだけ頼りなかろうが、その瞬間だけはきっちりと決めないといけない。男として。
そして今回のLittle Coder Mieは、まさに僕にとっての ”決めないといけない瞬間” であったわけです。
総勢13名の子供たちがつないできたピタゴラのスイッチを受け取り、女性スタッフの水野さんが作ったクス玉を割る。MESHとWeDoという2つの最新ガジェットを駆使した僕のピタゴラ装置によって。
クス玉が割れた瞬間、歓声とともに僕のもとに駆け寄る(であろう)子供たち、そして、そんな子供たちに囲まれて一緒に喜ぶ僕の姿を笑顔で見つめる(であろう)スタッフたち。水野さんにいたっては、感動のあまりにもしかするともしかするかもしれない、僕妻子いるけど。
とまあ、そんな感動のフィナーレが容易に浮かぶわけです。容易に。
さて、今回のLittle Coderですが、ScratchとNanoBoard(音や光、接触などに反応するセンサーボード)を使ってリアルとデジタルが交互にピタゴラスイッチするという構想。これ間違いなく面白いでしょ!と思ってました。
簡単に説明すると、
1.ドミノが倒れていき、最後にアルミホイルを巻いたドミノが倒れる
2.床に貼ったアルミホイルと最後のドミノが接触、NanoBoardのセンサーが反応
3.NanoBoardからScratchに信号が送られ、プログラムが開始される
4.子供たちが絵を描いたボールが画面の中を転がる
5.ボールが画面の端の絵のドミノに触れたら、ScratchからNanoBoardに信号を送られる
6.それによりモーターが回転、ストローが倒れて隣のドミノへ
ざっとこんな感じです。
そして、最後のフィナーレを飾るクス玉までの仕掛けがこちら。
1.ビー玉を止めているドミノが倒され、ビー玉が転がってゆく
2.ビー玉の先にあるMESHのMove Tagが倒れる(これによりiPadに信号が送られて1秒後にカメラで撮影)
3.その先のドミノも倒れて、Wedoのワニさんの口にある距離センサーが反応、Scratchに信号を送る
4.Scratchの制御によりワニさんが口を閉じながらクス玉につけられた紐を引っ張り、クス玉が割れる。
5.子供たちの歓声と笑顔。そして、iPadにはその満面の笑みが写っている
という仕組みです。
実は、3時間ずーっと、本当にずーっと調整を続けてまして現場がどうなっていたのかまったくわかってません。レゴとクス玉の記憶しかない。笑 なので詳細は、こちらの公式ブログをご覧ください。
そして1度リハーサルを行ったあとの本番。ついにその時がきた ”決めないといけない瞬間” の動画がこちらです。(ぜひ音声とともにお楽しみください)
(以下、ブログは続きます)
もうね、酷い。
ビー玉は、勢い余ってどっかへ飛んでいくし、クス玉なんて割れないどころか引っ張る紐を間違えてるので人がやったって開かない、ですよ。
最後の画面に写っている少年の顔みました?
あの「....あれ?これ、やっちゃった?」っていう表情がね、目に焼き付いてしまって。離れないんですよ。こんなもん水野さんがもしかするかもどころか、家族に見せたら
3歳の娘「おとうちゃんくさい」
嫁さん「これからは自分の人生を歩みたい」
ってなるにちがいない。少なくとも夜のおかずが一品減ってしまう。スタッフだって、
「あいつ...手伝いもせず自分だけ楽しそうにやってたくせに...」
状態ですよ、ほんとに。ゴール前のドフリーを外したヤナギサワの気持ちがわかった、いまわかった。
でも、そんなボロボロの状態の中、MESHのMove Tagから信号を受け取ったiPadが残した写真がこちらです。
み、みんな笑ってる...涙
いやね、本当にクス玉割りたかったです。うまく割りたかった。
でも、子供たちに救われた気がしています。大人からしたら途中でドミノが止まっちゃうとか完全に失敗なわけですよ。でも、子供たちって全然そんなことなくて止まったら手でちょこんて押したらいい。なんか、もっと本質的なところというか、作ることや動くことや、場合によっては動かないことも含めて全部楽しんでいる。そんな感じでした。
ワークショップ後のアンケートの結果もこれまでになく好評で、ほぼ全員が最高の「すごく楽しかった」に丸をつけくれていました。まさしく今回のタイトル通り「楽しいがつながる!」になってたんだと思います。
あと、今回もう一つ嬉しいことがありまして。
先日の三重大学アントレプレナー論での講義を受けていた学生さんがお手伝いに来てくれました!
Little Coderってすごくいいイベントだと思うんですよ。なので、若いエンジニアの方にはぜひ参加してほしい、というかなんでやんないのよ?くらいに思っているのですが、なかなか若い人来てくれないっていうのがあって、講義のときにもし興味あればと声をかけたのですが、来てくれたことは本当に嬉しかったです。
僕としては、これからもよろしくお願いします。とは思っていなくて、それよりもぜひ三重大学として学生さん主導で子供たちにプログラムを体験する機会を作ってほしい。そこに期待しています。実現するのであれば、僕はいくらでも手伝いにいきますし、できる限りはありますけどリソースとか人脈は提供したいと思っています。
次回のLittle Coder Mieは、11月開催です。
「楽しいをつなげよう」Scratch×センサーボード×ドミノのレポート|Little Coder Mie 公式ブログ