2012年5月2日水曜日

クラウドソーシング(Crowdsourcing)の世界

クラウドソーシングは、インターネットを利用して不特定多数の人に仕事を依頼するための仕組みのことを言います。簡単に言うと仕事を依頼したい人と受けたい人のマッチングサービスです。

例えば、会社のロゴを作成したいと思った時、まず第一にデザイン会社に相談することが思い浮かぶと思います。 単価は会社によってそれぞれですが、5万円で3案(修正数回可能)くらいが相場ではないでしょうか。ところが、クラウドソーシングでコンペ形式の依頼をかけることで、同じ価格で30~50案のアイデアが提示され、その中から一番気に入ったものを選ぶことができます。

ロゴデザインだけでなく、ウェブデザザイン、チラシ・パンフレットデザイン、ウェブシステム作成、データ入力、コピー作成、漫画制作、商品企画、ブログ執筆、メルマガ作成、翻訳などなど。依頼できる仕事の種類は多岐に渡ります。しかも、驚くほど低価格。理由は、仕事の受け手にフリーランスと呼ばれる個人事業主が多いからです。企業で仕事を受ける場合、価格に様々なコストを乗せる必要が出てきます。しかし、個人であればそういったコストはかからず、結果として価格が安くなるのです。

国内では、『ランサーズ』というサイトが有名です。



















この企業と個人の価格差ですが、国をまたぐことでさらに広がります。海外の代表的なクラウドソーシングサイトとして『oDesk』や『Freelancer.com』があります。このサイトで仕事を依頼しているのは豊かな国の企業、受けているのは発展途上国の人たちです。国内で仕事をするよりも、こうしたクラウドソーシングサイトからの仕事をしているほうがよっぽどお金になる。そうした人たちが世界には大勢います。


















気を付けたい点として、個人の悪い面(コミュニケーションが悪い、スケジュールが守れないなど)が出るケースもあり、発注側にもある程度のノウハウが必要ですが、きちんとした仕事をする人か否かが把握できる仕組みをサイトが提供していて市場原理での淘汰も進むと思います。

7年前にオフショア開発(日本で設計してベトナムでプログラムを作成する)をスタートさせた時、人件費の安い国でもできる仕事についている人の所得は現状維持できないだろうと痛感しましたが、国内にいても個人レベルで国際競争の波に飲み込まれてしまっています。

単純作業だけでなく、かなり高度な仕事もクラウドソーシングで可能になってきましたので、より価値のある仕事、より価値を生む仕事とは何なのか考える時期に来ているように思います。
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