2012年1月5日木曜日

コ・クリエーション(Co-Creation)とは何なのか?そして、なぜゼネラル・ミルズは、ウィーティーズのブランド再構築にそれを利用したのか?

Co-Creationについて要点をまとめた海外の記事がありましたので紹介したいと思います。

コカ・コーラやパワーエイド(Powerade)のマーケティングに従事していた経験をもつCarlos Mendozaさんの『WHAT IS CO- CREATION? AND WHY GENERAL MILLS USE IT TO RE BRANDING THE PRODUCT “WHEATIES”』というブログ記事です。ご本人に日本語で紹介したいと打診したところ快諾していただけました。

以下、その内容です。

Co-Creationとは何なのか?そして、なぜゼネラル・ミルズ(※1)は、ウィーティーズ(Wheaties)のブランド再構築にそれを利用したのか?

Co-Creationとは何か?

”消費者を直接参加させる取り組みのことで、報告されているいくつかの事例では、製品開発、あるいは新しいアイデアの創出のために用いられている。企業は初期の製品コンセプトとアイデア創出から消費者と共に関わりあい、製品開発のライフサイクルの至る所で消費者を活用していく。” これが、フォレスターリサーチ(Forrester Research)がいうところのCo-Creationである。

企業は、オンラインコミュニティの独創性とコアユーザー層を主力製品の開発、サービス革新・戦略・リサーチに活用することでCo-Creationを行う。部分的にクラウドソーシングであり、対話型のソーシャルメディアであると考えられる。

Co-Creationは、B2Bや大企業における消費者の声を取り入れた企業活動よりも優れているといえる。特にフォーラムは、このますます変化し増加していく市場におけるこれからの戦略と可能性についての意見を交わすための様々なキッカケをもたらすだろう。


ソーシャルメディア、クラウドソーシングとCo-Creationはどう異なるのか?

Co-Creationは、ソーシャルメディアやクラウドソーシングの概念とは下記の部分にフォーカスする点で異なる。
  1. イノベーション(新しいアイデア創出)とリサーチにフォーカスしている点。( ソーシャルメディアにおけるエンゲージメント(※2)やマーケティングとは対象的)
  2. コミュニティと共にあることにフォーカスしている点。(命令系統のあるクラウドソーシングとは対象的)
  3. 大きなユーザーグループの中にある活動的な"クリエーター"の小グループにフォーカスしている点。

どのようなことでCo-Creationが活用できるのか?
インサイト&リサーチ - 製品のライフサイクルのあらゆる部分について、満たされていない消費者のニーズや期待といったものを明らかにするためにコミュニティの一部に活力を与える。

イノベーション創出 - 製品、サービス、そして全体的な戦略にアイデアをきっかけとしたイノベーションを創出のためにコミュニティと共に取り組む。

そして、より多くの・・・ - Co-Creationはまだこれからの分野である。新しい使い方や手法が日々考えだされていく。可能性に終わりはない。

なぜ今Co-Creationなのか?
基盤は既に構築されている:ソーシャルメディアとプロシューマー専門家の高まり

インターネットとソーシャルメディアの高まりは、活動的なプロシューマー愛好家や専門家による新たな段階を産み出した要因となっている。それが彼らの好みの専門知識に僅かでも触れるものなのか、彼らの興味とは全く異なっているのかには関係なく、日常とは違う何かに参加することを非常に楽しんでいる。それは、アイデアをシェアして産業を発展させていくことへの喜びや手づくり感への愛着であることが多い。

イノベーションはこれまで以上に早い:加速するヘーゲル弁証法

様々なアイデアが混じり合うところが、本物のイノベーションが起きる場所である。歴史を見ても、ルネサンス期の基礎となっているのは、互いのアイデアの交換とオープンな議論だ。近年ではソーシャルメディアにより、そのプロセスが影響範囲の測り知れないところへと広がっていくスピードを増幅させている。異なるバックグラウンドや性格を持つ人々がいつでもアイデアを交換することができるのだ。

あと残されているものといえば? ビジネスのイノベーションにこれを活用すること。

Co-Creationは、企業戦略、マーケティング、リサーチなどにおいて、強力なイノベーションの手助けするためのコミュニティを見つけ出して活かすものだ。


ウィーティーズ(Wheaties)
ウィーティーズは、栄養士のIvy博士とともに今日の優秀なアスリートたちを”新しい勝者の朝食”の元へと送り届けている。次のウェビソード(※3)では、Ivy博士が選ばれたアスリートたち(Peyton Manning, Kevin Garnett, Hunter Kemper, Bryan Clay, and Albert Pujols)のところへ赴き、ウィーティーズのプロジェクトとの関わりについて話している。



※1 … 米大手食品会社。シリアルの「チェリオ」やヨーグルトの「ヨープレート」で有名。
※2 … 「絆」「愛着」と訳されることもある。個人と組織がともに成長するために貢献しあう関係のこと。
※3 … Web+Episode=Webisode。予告編、プロモーションクリップなどのウェブ上のショートムービのこと。


他にも英語サイトですが、Co-Creation Forumもお薦めということでしたのでサイト名だけご紹介しておきます。 

(誤訳の指摘やアドバイスなどあればコメント欄か、Twitterであれば@kazuyuki宛に頂けると幸いです。)
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