FacebookやTwitterといったソーシャルメディアにより、個人の情報発信はますます手軽なものとなってきています。しかしながら、企業と消費者という関係で見てみると、それぞれが一方的に情報を発信していて、”会話”が成立しているケースというのは非常に少ないのが現状です。
デルは以前から、顧客満足度、サービス品質向上のための取り組みを行い、自らを顧客志向の企業であると考えていました。しかし、ある顧客のブログを引き金にして、同じ不満を持つ多くのユーザーが一斉に声をあげる騒動が起こり、それが自身の勝手な”演出”に過ぎなかったことに気づかされます。
「顧客はデルを交えないでデル製品の話をしている。その会話にデルも参加するべきだ。」
これが、デルがIdea Stormという顧客参加型のウェブサイトを開設するきっかけとなりました。このIdea Stormからは、無駄なお試しソフトを搭載しないで欲しい、OS無しという選択肢の追加、梱包材の削減など様々なアイデアや要望が寄せられ、実現されていきました。
やがては、「デルの話はデルのウェブサイトでしていただきたい」とCEOマイケル・デルが述べるほど、ウェブサイトを参加型にする重要性、またそこから生み出される巨大なビジネスチャンスを認識することになりました。
ブランドやサービスは、企業の中にあるのではなく顧客体験の中にあります。それをいかに把握して、企業活動に活かしていくかという点でCo-Creationが果たす役割が大きいのだといえる実例です。