2012年1月23日月曜日

オンラインとオフライン それぞれの良さを最大限活用した無印良品のコ・クリエーション(Co-Creation)『無印良品モノづくりコミュニティ』

Co-Creationは別にインターネットがなければできない訳ではありません。紙と鉛筆を持って会議室で行うことも不可能ではありません。大切なのは取り組む課題を決めて、アイデアやコンセプトをまとめる段階から消費者参加型であること。そして、そのプロセスを公開して体験してもらうことです。

インターネットは、企業のCo-Creationの取り組みをより多くの人に知ってもらい、参加者してもらうための効果的なツールです。そのインターネットの良さと実活動の良さを最大限活かして効果をあげているのが『無印良品モノづくりコミュニティ』です。

































無印良品モノづくりコミュニティ』では、うまくオンラインとオフラインの活動を使い分けています。例えば取り組む課題の告知やモニター募集、アンケートの実施はインターネットを使って行います。次に実際にモニターが集まり、アンケート結果をもとに作成したプロトタイプに感想や意見をもらいます。その結果を再度インターネットで公開します。このプロセスを何度か繰り返して商品が完成します。また、サイト上には商品完成までのステップが表示されていて、これまでのプロセスと現在の段階を知ることができるようになっています。

Co-Creationの特長として「商品開発の初期段階から消費者に参加してもらう」ということを何度か書いてきましたが、これは必ずしも何にも無いところから消費者のアイデアで全てを作っていくということではありません。コンセプトやアイデアを生むためのプロトタイプを準備することで開発プロセスがスムーズになります。

これは、少数のクリエーター、イノベーター的な消費者とのCo-Creationを行っている事例のように見えるかもしれませんが、消費者の参加の方法はそれだけではありません。モニターとして実際に会議に参加してもらう、ネットのアンケートに応える、単に完成までの経過を見て楽しむ、ソーシャルメディアでシェアするなど、いろんな形での参加が可能です。そして、そのどれもが消費者にとっては自分たちと共に商品が作られていくということの『体験』になるのです。そして、この『体験』がCo-Creationにおいては重要になってきます。


さらに無印良品は『くらしの良品研究所』というサイトも開設していて、こちらは消費者が自分の持つアイデアや要望を自由に投稿でき、そこから新しい製品やサービスをつくっていくためのサイトになっています。ほとんどウェブサイトにはお客様の声を投稿するページが用意されていますが、その活用はイマイチであると言わざるをえません。『くらしの良品研究所』はそうしたサイトへのベストプラクティスといえます。


Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...