2012年1月9日月曜日

スターバックスが取り組むCo-Creation『My Starbucks Idea』

スターバックスが一時深刻な業績不振に陥った際、”顧客の中のスターバックス”を実現すべく取り組んだのがMy Starbucks IdeaというCo-Creationプラットフォームの開設です。このサイトは現在でもスターバックスのサービス改善に大きな役割を果たしています。
























驚くことにMy Starbucks Ideaでは、数十分単位で新しいアイデアが寄せられています。店舗へのWifi導入や、スターバックスカードに自分のお気に入りのオーダーを記録できる仕組みはここから生まれました。

スターバックスと顧客、あるいは顧客同士がアイデアをベースにサービス改善のための意見交換を行っており、その中で優れたアイデアは実際にサービスとして採用されます。積極的に参加をすることでプロフィールにポイントが加算されていく仕組みになっていて、顧客がいかに自分がスターバックスに貢献しているかを確認できるようにもなっています。

スターバックスは、顧客のアイデアでサービスが改善されていく過程を顧客に公開し、体験してもらうことで”顧客の中のスターバックス”を実現している訳です。Co-Creationにより、顧客と企業が一体となって企業価値を高めているひとつの事例といえます。

2012年1月5日木曜日

コ・クリエーション(Co-Creation)とは何なのか?そして、なぜゼネラル・ミルズは、ウィーティーズのブランド再構築にそれを利用したのか?

Co-Creationについて要点をまとめた海外の記事がありましたので紹介したいと思います。

コカ・コーラやパワーエイド(Powerade)のマーケティングに従事していた経験をもつCarlos Mendozaさんの『WHAT IS CO- CREATION? AND WHY GENERAL MILLS USE IT TO RE BRANDING THE PRODUCT “WHEATIES”』というブログ記事です。ご本人に日本語で紹介したいと打診したところ快諾していただけました。

以下、その内容です。

Co-Creationとは何なのか?そして、なぜゼネラル・ミルズ(※1)は、ウィーティーズ(Wheaties)のブランド再構築にそれを利用したのか?

Co-Creationとは何か?

”消費者を直接参加させる取り組みのことで、報告されているいくつかの事例では、製品開発、あるいは新しいアイデアの創出のために用いられている。企業は初期の製品コンセプトとアイデア創出から消費者と共に関わりあい、製品開発のライフサイクルの至る所で消費者を活用していく。” これが、フォレスターリサーチ(Forrester Research)がいうところのCo-Creationである。

企業は、オンラインコミュニティの独創性とコアユーザー層を主力製品の開発、サービス革新・戦略・リサーチに活用することでCo-Creationを行う。部分的にクラウドソーシングであり、対話型のソーシャルメディアであると考えられる。

Co-Creationは、B2Bや大企業における消費者の声を取り入れた企業活動よりも優れているといえる。特にフォーラムは、このますます変化し増加していく市場におけるこれからの戦略と可能性についての意見を交わすための様々なキッカケをもたらすだろう。


ソーシャルメディア、クラウドソーシングとCo-Creationはどう異なるのか?

Co-Creationは、ソーシャルメディアやクラウドソーシングの概念とは下記の部分にフォーカスする点で異なる。
  1. イノベーション(新しいアイデア創出)とリサーチにフォーカスしている点。( ソーシャルメディアにおけるエンゲージメント(※2)やマーケティングとは対象的)
  2. コミュニティと共にあることにフォーカスしている点。(命令系統のあるクラウドソーシングとは対象的)
  3. 大きなユーザーグループの中にある活動的な"クリエーター"の小グループにフォーカスしている点。

どのようなことでCo-Creationが活用できるのか?
インサイト&リサーチ - 製品のライフサイクルのあらゆる部分について、満たされていない消費者のニーズや期待といったものを明らかにするためにコミュニティの一部に活力を与える。

イノベーション創出 - 製品、サービス、そして全体的な戦略にアイデアをきっかけとしたイノベーションを創出のためにコミュニティと共に取り組む。

そして、より多くの・・・ - Co-Creationはまだこれからの分野である。新しい使い方や手法が日々考えだされていく。可能性に終わりはない。

なぜ今Co-Creationなのか?
基盤は既に構築されている:ソーシャルメディアとプロシューマー専門家の高まり

インターネットとソーシャルメディアの高まりは、活動的なプロシューマー愛好家や専門家による新たな段階を産み出した要因となっている。それが彼らの好みの専門知識に僅かでも触れるものなのか、彼らの興味とは全く異なっているのかには関係なく、日常とは違う何かに参加することを非常に楽しんでいる。それは、アイデアをシェアして産業を発展させていくことへの喜びや手づくり感への愛着であることが多い。

イノベーションはこれまで以上に早い:加速するヘーゲル弁証法

様々なアイデアが混じり合うところが、本物のイノベーションが起きる場所である。歴史を見ても、ルネサンス期の基礎となっているのは、互いのアイデアの交換とオープンな議論だ。近年ではソーシャルメディアにより、そのプロセスが影響範囲の測り知れないところへと広がっていくスピードを増幅させている。異なるバックグラウンドや性格を持つ人々がいつでもアイデアを交換することができるのだ。

あと残されているものといえば? ビジネスのイノベーションにこれを活用すること。

Co-Creationは、企業戦略、マーケティング、リサーチなどにおいて、強力なイノベーションの手助けするためのコミュニティを見つけ出して活かすものだ。


ウィーティーズ(Wheaties)
ウィーティーズは、栄養士のIvy博士とともに今日の優秀なアスリートたちを”新しい勝者の朝食”の元へと送り届けている。次のウェビソード(※3)では、Ivy博士が選ばれたアスリートたち(Peyton Manning, Kevin Garnett, Hunter Kemper, Bryan Clay, and Albert Pujols)のところへ赴き、ウィーティーズのプロジェクトとの関わりについて話している。



※1 … 米大手食品会社。シリアルの「チェリオ」やヨーグルトの「ヨープレート」で有名。
※2 … 「絆」「愛着」と訳されることもある。個人と組織がともに成長するために貢献しあう関係のこと。
※3 … Web+Episode=Webisode。予告編、プロモーションクリップなどのウェブ上のショートムービのこと。


他にも英語サイトですが、Co-Creation Forumもお薦めということでしたのでサイト名だけご紹介しておきます。 

(誤訳の指摘やアドバイスなどあればコメント欄か、Twitterであれば@kazuyuki宛に頂けると幸いです。)

2011年12月26日月曜日

震災復興のためのCo-Creation『Share an Idea』

ニュージーランド地震(2011年2月22日)で大きな被害を受けたクライストチャーチが、 震災からの復興のために Share an IdeaというCo-Creation(コ・クリエーション)サイトを公開しています。

アイデアの募集は5月14日、15日の2日間で、復興イベントと連動した取り組みでした。



















議会と市民がともにアイデアを出して、自分とその子供たちが希望に満ち、精神的な支えとなる街を創ること。

そして、単によいアイデアを集めて実行するためだけではなく、街を壊滅させた地震に対する無力感を取り除くためにデザインされたサイトであり、このShare an Ideaが「真に議会と市民のCo-Creationの手本となる」とクリストチャーチ議会は語っています。

当日のイベント会場では、公園について、道路について、街とデザインについてなどセクション毎にアイデアを手書して張り付けられるスペースや、子供たちのためにレゴを使って街を創れるコーナーなどが用意され、市長や震災復興大臣によるプレゼンテーションなども行われました。

Co-Creationにより、関係する人々がアイデアを出しながら未来を思い描き、それが実現されていく体験をすることで、震災からの物質的、精神的な復興につなげていこうという試みです。

2011年12月23日金曜日

Co-Creationによるドリンク販売サイト『uFlavor』

企業と顧客が共に新しい商品やサービスを生みだすCo-Creation(コ・クリエーション)。uFlavorはその究極の形にトライしています。




















uFlavorは、スタートアップのドリンクメーカー。自分で味の調合やラベルのデザインをサイト上で行うことができます。現在は製造ラインが完成していなため買うことはできないのですが、デザインサンプル(プロモーション)として、あのアマゾンを震撼させたシューズ通販サイトZappos(ザッポス)のCEOトニー・シェイをはじめ、有名人が調合したドリンクが紹介されていて、実際に購入できる日がきたら飲んでみたいと思わせる仕掛けでユーザーを引き付けています。

こうした顧客が自分の好みに合った商品をデザインできるCo-Creationプラットフォームは、uFlavorのほかにもNIKEiDShoes Of Prayなどがあり、ITを活用した究極のCo-Creationの事例となっています。


2011年12月8日木曜日

Co-Creation Platform(コ・クリエーションプラットフォーム)

先日、インキュベーション入居企業として事業内容を話す機会をいただきました。インキュベーション関係はもちろん、行政、証券、銀行など、50名を超える様々な分野の方が参加されていました。そんな中、これまでやってきたことと、いま取り組みを進めているCo-Creation Platform(コ・クリエーションプラットフォーム)について、その重要性と提供する内容について簡単にお話させていただきました。


ウェブが社会に貢献できる部分は、限りなくあると思っています。

btrex社の”これからの会社に最も重要な資産: エモーショナル・エクイティ”という記事の中で「感情的資産の時代」という表現がされていますが、ソーシャルメディアの普及は消費行動を大きく変え、企業や製品に込められた想いに共感することが購買動機として影響力と持つようになってきました。

会議室に集まり、仕様を決め、パッケージをデザインし、店頭に並べる。消費者は買うか買わざるかの二者択一。この主役不在のプロセスは、観光や地域の活性化への取り組みでもよく見かけます。そうした製品開発プロセスが無くなるわけではありませんが、ニーズの多様化と速度についていけていない部分があり、消費者の感情に語りかける部分もありません。

マーケティングから、製品開発、プロモーションまでを一体化して変化への対応速度を上げる。さらには顧客の共感を生み購買動機へとつなげていく仕組みが必要ということです。魔法のようにも思えますが、その可決策の一つがCo-Creationプラットフォームだと考えています。

Co-Creationとは、企業と従業員だけでなく消費者も参加して、新しい製品価値を生み出したり、サービスの顧客体験を高めるための手法のことで、ずいぶん前から提唱されてきましたが、最近になってその正しさが証明されつつあります。企業の利益を向上させるだけでなく、顧客体験を重要視するプロセスにより、難しい部分である感情的資産の構築にもつなげていくことができます。

具体的にいうなら、DELLはIdeaStorm、レゴはレゴ・マインドストーム、スターバックスはMy Starbucks Ideaといった各社独自のCo-Creationプラットフォームを持っています。お金も人材も豊富で、ブランド力もある大手企業はその重要性を早くから認識して取り組みを始めています。一方で、それを追いかける企業で取り組んでいるところは非常に少なく、その差はさらに広がっていこうとしています。

現在提供を考えているCo-Creationプラットフォームにより全てが解決されるわけではありませんが、果たせる役割は非常に大きいと考えています。これから事業を育て、ブランド力をつけていこうと考えている企業がCo-Creationに取り組むにあたっての入口の部分、その中でも重要となる機能に特化して提供していきたいと考えています。


今後の動きとしては、年明けからCo-Creation をテーマにしたセミナーを定期的におこなっていきます。あと、このプラットフォーム(PHPのWebアプリケーション)が、Web業界にとってブログに代わる新しい提案材料になればと考えています。一緒に取り組んでいこうという企業や人も募集していますので、関係者みんなでCo-Creationを広めて、関係者みんなの利益につながっていくように進めていきたいと思います。


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