イギリスの作家シルヴィア・ハートマン(Silvia Hartmann)が、執筆途中の小説を読者に公開しながら共に書き上げるというプロジェクト『The Naked Writer Project』を行っています。
現在、執筆されているのは"The Dragon Load" というタイトルの小説。狙いは、読者が執筆中の原稿を見ることができるだけではなく、物語の流れに対して感想をフィードバックできるようにすることで、著者が思いつかなかった展開を見出そうというものです。
著者自身も、これまでの著者と読者の関係の境界線を広げるられることや、自分っぽい展開になってしまいがちな物語が、読者と共にどうのように展開していくのかが楽しみで、これは双方にとって貴重な機会だと述べています。
プラットフォームとして活用されているのは、Google Drive。原稿はこちらで公開されていて、フィードバックは、Google Drive上のコメント機能のほか、TwitterやFecebookといったソーシャルメディアを活用しています。Live原稿には、この記事を書いているときにも10名程度の閲覧者がいました。
こうした新しい取り組みの書籍としてグランズウェル ソーシャルテクノロジーによる企業戦略 (Harvard Business School Press)
や、ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書などが記憶にあります。(当時は)読者とのコミュニティページが用意されていて、読了後も書籍の内容をもとに会話ができるようになっていました。
読者に新しい体験をもたらしながら、物語展開に読者の発想を取り入れ、著者の知識や経験、読者理解からできてしまう無意識の壁を壊していこうというところにco-creation(共創)的発想を感じます。