2012年3月26日月曜日

コ・クリエーション(Co-Creation)は『スタジアム型』

 Co-Creation(コ・クリエーション)について書籍やウェブを通して学術的な定義や様々な事例を得ることができますが、難しい表現が多くて取っつきにくい感は否めません。そこで、要点を分かりやすくお伝えするためにワークショップではスタジアムをイメージしてもらっています。
























サッカーで例えると、スタジアムには監督がいてプレーヤーがいてサポーターがいます。それぞれの役割をCo-Creationに当てはめて考えると次のようになります。

監督

監督の役割を担うのは、「企業」あるいは「経営者」です。チームのコンセプトを定め、選手を起用し、作戦を考えて伝えます。ゲームが開始された後は、流れを見ながらプレーヤーに状況を修正するための指示を与えます。監督の指示に一貫性がなければ選手は混乱していまいますので、監督自身がコンセプトや作戦をしっかり考えて理解している必要があります。

プレーヤー

プレーヤーの役割は、「従業員」と「コア層の顧客・ファン」が担います。それぞれが状況を打開、改善するアイデアを出し、その実現のために行動します。ゴールキーパーが攻撃に参加するといった突拍子もないアイデアが良いかどうかは、監督の示すコンセプトや作戦に沿って判断されます。プレーヤーにとっては、ゲームを決定づけるプレー(製品やサービスに反映されるアイデア)を出せることが大きなインセンティブです。

サポーター

サポーターは、プレーに直接参加していないその他の従業員と顧客・ファンです。選手のアイデアや行動を見ながら、時には応援し、時にはブーイングすることでゲームに参加します。まとまったサポーターの声がプレーヤーの行動に影響を与え、ゲームの結果を左右することも十分考えられます。ただ、残念なことに消音壁のあるスタジアムを作っておきながら声を出して応援して欲しいといっているケースが珍しくありません。


コ・クリーションだ、顧客参加だ、と言うと全員をプレーヤーとしてイメージされることが多いですが、「観戦が得意である: 自社の製品を熱心に使っている」と「よいプレーができる: 新製品が生み出せる」は別ですので、それぞれ顧客の個性や能力に応じて、プレーだけでなく、観戦や応援できるスタジアムを構築することがCo-Creationの目指すところです。

そして、より多くの人に参加経験をしてもらうことでチームを身近に感じてもらいスタジアムに足を運んでもらえるようにすること。つまり、顧客経験による差別化をCo-Creationでは重要視しています。なぜなら、勝ち負け(企業活動における製品機能)だけによる差別化では、やがて限界が見えてくるからです。

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