Facebookを活用して消費者と会話しようという流れは、最近ではごく自然なことになってきましたが、『百人ビール・ラボ』は、ビール愛好家とサッポロビールが、そうした会話を通して "ここだけのビール" を作ろうという共創プロジェクトです。
サッポロビールというブランドだけでなく、ビール自体にもファンが多く、歴史も長いので参加の動機は得られやすいのではないかと思いますが、「百人ビール・マイスター」という認定証の発行、完成パーティへの招待やサイト上での名前の掲示など、参加を促すための各種インセンティブも用意されています。
ウォールでは、運営側からこのプロジェクトの進捗報告や、ビールに関する知識の投稿がされており、それをきっかけした会話が生まれています。例えば、生ビールの定義については、参加者から多くの質問や意見が寄せられ、最終的には運営側が国内の規約や基準について回答することで、納得感のあるまとめになっています。こうした知識の提供は、"語りたい人" への情報提供になるので、その知識を披露してもらいながら、このプロジェクトへの関心や、口コミをつくることにつながっていってるんじゃないでしょうか。
毎週金曜日には、Live会議が予定されており、参加者からアイデアを求めながらコンセプトメイキングしていくようで、こうした初期の段階から参加できるのは、プロジェクトをより身近に感じることができていいですね。
完成は、2013年の冬という長期のプロジェクトで、飲めるのはそんなに先かよ。と思うかもしれませんが、co-creation思考から見ると、最終的に完成するビールもさることながら、それまでに育まれる消費者との関係性づくりが一番の目的なので理にかなってるといえます。もし、完成した時に「ついにできた!」という一体感が生まれていたら、それはサッポロビールが消費者の愛着を得た瞬間ですね。
あと、冬の間をどうやってつないでいくのか非常に興味があります。鍋ネタかな?