2010年から毎年お話させてもらっていた金城学院大学。
ただ、去年は学部の再編成があったために講義をさせていただく機会がなく、とても残念に思っていたのですが、今年は再び講師の武田先生からお声がけいただいて「市場調査論」でひとコマ担当させていただくことになりました。
僕の得意分野であるインターネットと市場調査との関係をテーマにということなのですが、市場調査 というのが奥深いんだけどもいかんせん地味なところもあって、それをいまの時代っぽくするのに結構悩んだという感じです。
僕のした話は「論」というより「考察」なんですが、学生のみなさんが新しい視点に気づいたり、感性を働かせるきっかけになればと思っています。
市場調査論+インターネットというキーワードから、ネットアンケートだとか、ブログやツイッターのデータ解析(ビックデータと言えば今っぽくはなりそうだけど...)なんかの話をしてしまいそうになりますが、女子大生が興味をもって聞いているイメージがまったくできない。
それにもう少し先を見据えた話がしたいな、というのもあって「市場調査のためのオウンドメディア+コミュニティ運営」というテーマにして、ゼクシィが運営するオウンドメディア「花開け求婚男子!!プロポーズゼクシィ」や、ベネッセが運営する「ウィメンズパーク」、資生堂のアラサー女子を応援する「Beauty & Co.」なんかを題材に、”情報を集めに行く” のではなくて "発信することで情報が集まる” という視点もあるよというお話をしました。
消費動向からみても、みんなと同じものを買うという消費スタイルから、自分らしさを表現するための消費、さらには共感・シェアのための消費(地球環境を考慮した水を選択する、ソーシャルにアップする写真を想像して旅行先を決めるなど)、そして招待制のような限られた入り口から最後にシェアが出口となっている消費動向(私たち消費からIPPS消費へ - SOUL for SALE)なんかもあって、細分化されてそれぞれの規模は小さくなってきている。
あと、インターネットでの使われている情報発信のメディアも、掲示板やブログのような公園でみんなが会話を見聞きしていたところから、ソーシャルに移っていき、最近ではインスタントメッセージングが主流で、これも細分化されて小さく・クローズドになってきている。
こうなってくると、情報を取りにいくというのが難しくなってくるので、ターゲットにしたい層が求めている情報を発信して(オウンドメディア)、そこから会員となってもらい、会員サイトでの会話から市場を知る(コミュニティ運営)というのが、いまのインターネットらしい市場調査のひとつとしてあるよというお話をしました。
講義のあとにはいろいろと質問してもらったので、何かしらの感性への働きかけはできたのかな?とも思っていますが、自分で自分の講義の評価は難しいですね。。
最後に、今年も貴重な機会をいただいた武田先生、ありがとうございました!感謝しております!