最近、インターネットに対して "一巡してる感" というのを感じていて、これまでは技術先行(+理想先行)でずっと来たんだけど、やっぱり最後は「人間」だよね、「現実社会」だよね。という、ネットはあくまで現実の補完であって、お店のFacebookページにいいね!欲しかったらまずはテーブル拭け。的な考え方が共通認識になってきたことが、ひとつの要因だと思います。
今回は、その現実回帰の具体例ともいえる『Change.org』のお話。
『Change.org』は、変えたいを形にするソーシャルプラットフォームという、今っぽいコンセプトながら、中身はというと署名という古くからある現実的な手段をネットで補完しようというもの。
社会に対する働きかけをここではキャンペーンと呼んでいて、例えば「2013年度における通常国会において公職選挙法を改正し、インターネットを利用した選挙運動の実現を!」「こどもの城、青山劇場、青山円形劇場の存続を求めます!」などのキャンペーンが行われています。例えば、前述のキャンペーンでは、宛先:安部晋三(他15党首が記載されている)のように誰にこれを届けるのか、何故このキャンペーンを実施しているのか、進捗状況はどうなっているのか、のように街頭の署名と比べて署名する人に十分な情報が届くようになっています。
署名は、キャンペーンのページでメールアドレスと郵便番号を記入するだけ。署名と同時にコメントを寄せることも可能になっています。ネットでの署名というと1票1票の信憑性が懸念されますが、それでも大きな数が集まれば無視はできないというところを実行力の源泉としているようです。
その他、自分が署名したキャンペーンをソーシャルメディアでシェアできたり、賛同する他のひとの意見が読めたり、近況がページ上で報告されるといったことなどは、これまでの署名では難しかったことで、署名した後も興味を継続させられる仕組みにすることで、これまでの形式的だった署名を参加型のイベントに変えているという点が素晴らしいです。