2014年5月22日木曜日

来場者数万人の会場でプレゼンをして分かった『自社ブースでのプレゼンをなんとか形にもっていく5つのポイント』

先週、Web&スマートフォンマーケティングEXPOに参加してきました!(4年連続6回目)

特に出展するモノも無かったのですが、コンパニオンが3日間見放題とあって、お取引先も家族も納得のシュッとした参加方法はないものか…と探していたところに 「IT飲み会の共同出展のブースを手伝わないか?」 とお声掛けいただきまして、即了承した次第です。業務としての参加であります。

























IT飲み会が共同出展というスタイルでEXPOに参加するのは今回で4回目。回を重ねるごとにブースが改善されていっていて、今年はプレゼンテーションエリアが新設されました。で、僕がその担当ということに。

僕としては、自分でもイベントやったりしてるし、人前で話す機会も少なくないのでそれなりにポイントを押さえているつもりだったのですが、やってみるとこれがまったくの別物でいろいろとハードだったのでこの3日間でつかんだ、寒いプレゼンテーションエリアにしてしまわないためのノウハウ的なものをシェアしたいと思います。




ポイント①: プレゼンの前にサクラを投入

えー、いきなりこの先読み続ける価値があるのかと思う残念なお話ではありますが、サクラ入れとかないとなかなか立ち止まってくれません。

複数のIT系イベントが同時開催されていて、IT Weekとも呼ばれているこのイベント、3日間で10万人近い来場者があります。参加されたことのある方はご存知だと思いますが、歩くだけでもかなり疲れるくらい広いし、妙な熱気があります。そして、その広い会場のどこへ行ってもウンザリするくらいの営業攻勢を受けるということです。

そんな状況なので、基本興味のない振りをするし、たとえ少し興味があったとしても誰もいないプレゼンブースに入ってくれる勇者はほとんどいません。誰かいるとじゃあ俺も...といった感じで聞いてくれる。そんな感じです。



























ポイント②: 呼び込みのキーワードは3つまでに絞る

今回、プレゼン時間の事前告知はしなかったのですが、大きなセミナー会場は別にして、事前告知をしている他ブースを見ていても、その時間に前もって来ている人はいない感じでした。なので、開始前に呼び込みを行うのですが、フレーズが長かったり曖昧だったりすると全然伝わらないので、食いつきのいいキーワードを3つまで絞るというのがポイントです。

たとえば、

弁護士によるウェブの利用規約作り方セミナー開催しま〜す!」

スマホ簡単マニュアルが作れるアプリをご紹介しま〜す!」

70言語に対応したドキュメント翻訳サービスのご紹介で〜す!」

といった感じで、こちらに向かって歩いてくる人が自分の前に来るまでが勝負どころで、遠すぎてもダメだし、通り過ぎていってもダメなので、このような呼び込み方が効果的でした。




























ポイント③: すべてのスライドにプレゼンのタイトルを入れる

これ意外と気づかないところだと思います。

通常、プレゼンのタイトルは最初の1ページのみで、各ページにはそれぞれの見出しを表示していると思います。最初から見てもらえればよいのですが、実際はプレゼンがはじまってから「何の話してるんだろう?」と寄ってくる人のほうが多いです。そうした途中から参加してくる人にも興味を持ってもらうためには、スライドの左上は最初から最後までキャッチーなプレゼンのタイトルを表示しておくというのがポイントです。



ポイント④: すべてのスライドにお土産を用意する

③と関連してですが、プレゼン中のどこかで1〜2分立ち止まって聞くという人がとても多いので、最初から聞かないと感動しないストーリ仕立てでは、途中から来た人を逃してしまうことになってしまいます。途中からであってもそれなりに持って帰ってもらえるものがあって、最初から聞いていればより「そうか!」となる、そんな作りにすることがポイントです。

他には、最新のキーワードを入れておくのもよさそうでした。実際、よく聞くいてると中身薄いんだけど、レスポンシブデザインだの、ソーシャルマーケティングだのといった言葉がポンポンと飛び出すプレゼン(他ブースのですよ!)には人が集まっていましたので、フックにするという意図でうまく使うといいと思います。



ポイント⑤: ○○を大きくする

①〜④だけでもとても効果的なのですが、さらにそれらをブーストする方法があって見違えるような効果が出たのですが、ちょっとここには書きづらい内容なのでヒントだけにさせてもらって、ほとぼりが冷めたころにどこかでと思っています。ごめんなさい。。


(ここに集合写真が入る予定、いまだ届かず)



最後に。自社ブースプレゼンは、(今回のやり方だと)労力の割には効果的にどうなんだろう?というのが正直な感想です。それなりの形にはなっていましたが、もう少し効果的なプレゼンテーションエリアの使い方がありそうだなあと思っています。

2014年5月1日木曜日

イクメン・アドバイザーとあたりまえさの打破、という雑記

某県が少子化対策として『イクメン・アドバイザーの育成』という補助金事業を予定しているそうで、その変化球さに衝撃を受けて4カ月ぶりに筆を取った次第です。モチベーションをどうもありがとうございます。


ここ最近、いやそれ1人でやる量じゃないでしょ?という量の仕事をこなしていて気が付けば5月。ふと世の中に目をやると、

世の中: 「インターネットエクスプローラーはセキュリティ的に危険だから、検索はグーグル!ヤフーじゃなくてグーグルで検索!」

僕: 「...え?え?」

という感じでして、本職のIT系の話題すら理解できない状態になってしまっていて、もはやこれ以上オフィスに閉じこもるのは駄目だ、アウトプットしていかないと!と、いう危機感を持ってこれを書いています。



さて、冒頭のイクメン・アドバイザーですが、そんな職種が既にあるのか?と、セキュリティを考慮しつつインターネットエクスプローラーを使ってグーグル検索で検索してみてもどうもヒットしない、どうやら造語のようで。

あ、本記事は別にその事業をとやかく言いたいとかそういうんじゃないですよ。なんというか、その、発言や提案の変化球さ、不完全さっていうのはクリエティビティを生むのにとても大切だと感じてまして、バカだなそうじゃなくてこうだろ?って思うのは提示されたものにどこかその不完全さを感じるからであって、正論を提示されると、「お・おう。」となるしかない訳です。マクドナルド理論なんて呼ばれることもあるようで、

久しぶりのデートにて-

彼:
「お昼はマックにしようか?」

彼女:
「えー、いやだよ。そんなくらいなら、ほら最近駅の近くにできた...ウンヌン」

という感じで、イマイチと思われる提案でもそれをすることで相手のアイデアを導き出す可能性があるという理論です。イクメン・アドバイザーは、僕にとってはそういう何かこういろいろと考えさせられるものだったということです。


例えば、そもそもなぜ少子化なんだろうか?と


根本的な問題ほど単純な解決策がないとは思いつつ、考えてみてまず思いつくのは、”現時点で既にお金がない”、あるいは ”将来の日本経済とか年金とか不安だし死ぬまでのスパンで考えるとトータルでみてお金が足りないと感じる” なので子供とか無理、二人目とか無理-ということ。

若い世代がお金がないのは、単純に所得が減っている(年収300万円台が現在最も多い層)ことに加えて、生活コストが逆にあがっていることもあると思います。

所得とかの話しをすると、昔は男が家計を支えてただの、バブルの頃は銀座で一晩でどうこうだのといった話を自慢げに話すオッサンとかいますけど、バブルの頃から現在まででみても、家にはインターネット回線が引かれるようになったし、家族みんなが自分の携帯を持ってるしで、必要とされるものは増えていっているので、とてもお父ちゃん一人ではこのコストを支えられない訳です。

それにいくらバブル時代にはお金があったとはいっても、ネットもない、携帯もないような不便な時代には戻りたくないし、今の現状が豊かさというよりもあたりまえであって、当り前のコストとなっているので削るとか考えられない訳です。それを裏付けるかのように、あたりまえではないコストの新聞は削られている訳ですし。


そんなことから、お金がないので共働きになる。今度は時間がなくなる、子供は保育園にあずけないといけなくなる(また出費がかさむ)、なんていうロジックや、晩婚化・情報過多など様々な要因はあるんだろうけど、一番の少子化の原因は、日本社会の持つ ”あたりまえさ” なんだと思います。
 
あたりまえに幼児教育を、あたりまえに携帯電話を、あたりまえに大学進学を、あたりまえに就職を、あたりまえに8時半に出社を。


このあたりまえさの感覚というか考え方が少子化の要因になっているんだと。子沢山の家ってそういう感覚が他の家庭とは違ったモノサシであるように思うんです。独自の思考をもっているというか。

なので、イクメン・アドバイザーには、おむつの替え方とか、そんなどーでもいいことではなくて、あたりまえさの打破、「会社に時間どうり出社なんてしなくていーんだよ、子供優先だろ?馬鹿じゃないの?イクメンなめてんの?」くらいの切り口で行ってもらいたいなあと、1県民として感じている次第です。


2014.05.10追記: デンマークの出生率向上のためのキャンペーンに関する記事を見つけたので、少子化対策つながりで。
「もっと子供を作ろう!」デンマークの旅行会社が仕掛ける子づくり旅行の企画:http://feedly.com/e/U_-Kk8kD



2013年12月23日月曜日

Bizcafeよっかいち『ここちよさのデザイン』

うちのオフィスがあるビズスクエアが毎月開催している「Bizcafeよっかいち」という起業をテーマにした交流会(勉強会かな?)がありまして、そこで約1時間『ここちよさのデザイン』というテーマでお話させてもらいました。あんまり時間ないけど聞きにきた!という方が何人かいらっしゃって本当に嬉しかったです。

























実は、これまでに何度かBizcafeの講師に名が浮上していたんですが、やんわり避けていた経緯がありまして。というのも、僕の話って「○○な視点があってもよくて...云々」とか「○○な時代がくる可能性があって...云々」みたいにかなりフワッとしているので、具体的にどうビジネスを作ってきたとか、ビジネス直結のノウハウみたいな話が求められているBizcafeには合わないと思ってたからです。

まあ僕としては、Bizcafe番外編ということで『世界を目指す起業家、地方を目指す起業家』というイベントを8月に開催しているのでそれでお役御免かなと思っていたのですが、本編のほうでもということになり、いつものBizcafeっぽい話はできないですけど…と前置きした上でお話しさせてもらいました。

開催日がクリスマスの前週、3連休初日、年末も近いとあって、いやそんな時期に誰も来ないだろうと思っていたのですが、蓋をあけてみると30名近い参加者にお越しいただけて、最近のBizcafeの集客力すげーな。と感じた次第です。女性の参加者も多くて、おっさんの多い名古屋の某IT系飲み会とはまた違った雰囲気です。やっぱり運営に女性がいるのは大きいかな。

























今回の主旋律は、いま仕組みのデザインと見た目のデザインの狭間で、考えられているような考えられていないような状態になっている、なぜ人が動くのか、動かされるのか?というところのデザイン、「ここちよさのデザイン」を明確に分けようよ。と、いうこと。

ちなみにここでの "ここちよさ" とは、「人を動かす気持ちよい感情」のことで、単に気持ちいいだけのことは指していません。


僕は、ウェブシステムを開発する仕事をしていますので「こんなアイデアがあるからネットを使って実現したい!」というご相談をよく受けます。「こんな風に投稿ができたらきっと楽しい!」とか「かわいいデザインにして女性ユーザーを獲得!」みたいな議論が熱いのですが、それって仕組みと見た目の話であって、本当にそう受けとってもらえるのか?そもそもなぜそれを使いたいと思うのかという視点での話がしっかりされることは少ない。

また、大学での講義、交流会の主催などしていて感じるのは、「これからは○○な時代が来る!」「○○業界を盛り上げる!」「○○で地域活性!」なんていって熱いコンセプトやメッセージで伝えようしても、基本的に誰もそれには興味がないということです。熱いのは伝えようとしてる人たちだけで、受け取る側は「なんか知らないけど面白そうだな。」くらいで動いてて、理解は後だったりする訳です。であれば「あ、なんかよさそうだな」とか「聞いてみようかな」と思わせるここちよさをデザインするという視点は、仕組みや見た目のデザインと同じかそれ以上に大切なんじゃないかと。

ただ、ここちよさのデザインといっても難しい。仕組みや見た目のデザインは発信側の話だけど、ここちよさのデザインは受け取り側のことでよく見えないし、ノウハウもないのでどこからどう手をつけたらいいのか分からないっていうこともある。そこで、まずそのイメージを掴んでもらうために例として挙げたのが水。
 
























水は、味をつけても香りをつけても水じゃなくなる。富士山録の水、南アルプスの水、飲んだことはあってもその違いが分かる人なんてほぼいない。つまり差別化が難しいのでデザインでの差別化に頼りがちになるんだけど、そこにここちよさを持ち込んで差別化したのが、いろはすじゃないかと。

誰しも、環境に悪いと分かっていてもつい便利さを優先してしまう(薄い罪悪感)みたいなものが頭のどこかにあって、かといって週末に植林に行ったり海に清掃に行くかというとそこまででもない。ペットボトルなんてまさに環境に悪そうなものの筆頭格なんだけど、いろはすを買えばエコにつながるっていうのがそうした罪悪感に対してちょっと許される感を生んでいて、それが選択行動につながっている。そのここちよさは、ちょうど暴飲暴食したから青汁飲んでプラマイゼロ、みたいな感じに似ています。

ほかには、企業の給与制度なんかもイメージ掴みやすい例で、成果が評価・反映がされる仕組みだけでみんな満足かというとそんなこともなくて、むしろ論理的な仕組みにしすぎて満足度が下がったなんていう話や、逆に給料があんまり上がってなくても社長からの言葉で報われてるなんて人もいて、こうしたことからも仕組みのデザインとここちよさのデザインは明確に分けて考えたほうがよさそうだということを感じます。



























あと、この「仕組み」「見た目」「ここちよさ」の3つのデザインを分けて考えるという視点は、「マーケティング」「ブランディング」を考えるときにも役立つと思っています。特にマーケティングとブランディングがごっちゃになって「ブランディング的に考えてデザインは...云々」なんてことになっている場合においては。

ブランディングが顧客の中にあるここちよさ(多くの場合、信頼や安心感)を得ることだとすると、まずは商品やサービスを届ける(売る)ことが第一で、その後の積み重ね(サポートや問題対応など)が少しずつ顧客の中にそれを育てていく。特に名も無い地方の中小企業がビジョンだとか、ミッションだとか、ロゴやイメージの発信だけで自社をブランディングするなんてまず無理で、そうした発信は、こんな風に思ってもらいたいっていう企業側のここちよさ(マーケティングの範囲)であって実際にそのまま受け取ってもらえるかなんて分からない。

いや発信し続けることで-。って見方もありますが、それならば話それますが、僕はオードリーの若林に似てるとよく言われます。一方、オードリー若林とイケメン俳優向井理が似ているなんて話がネットなんかでされていて、(三段論法風に)故に僕=向井理な訳ですが、僕が向井理似押しで発信しつづけても無駄です、実際のところ女性中心に(ネタ的に話してんのに!)ドン引きされて心がズギズキします。それよりもオードリー若林似だということを受け入れて(顧客を理解して)その延長線上にあるものを見つけていくことがブランディングへの近道になるということです。



すべての人に刺さるデザイン、すべてを網羅するシステムが無いように、ここちよさのデザインについても1つの方法論ではきっと語れなくて、状況に応じたデザインが必要なんだけど、今回の話は、まず視点として明確に分けようよ。というところまで。

仕組みを作るためのシステムエンジニアがいたり、見た目を作るためのウェブデザイナーがいるように、ここちよさのデザインをする人がいてもよくて、これからの重要な職業の1つになる可能性を感じます。もしかすると、IT系でいうグロースハッカーもある意味でこの分野なのかもな、と思います。




最後に。今回ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。予想以上の反響があって、Bizcafeには合わないかも...と心配していただけに嬉しかったです!特に人生の先輩方からの評価は励みになります。感謝しております。

Bizcafeスタッフのみなさん、お疲れ様でした。ありがとうございました。クリスマスランチも楽しかったです。

2013年11月13日水曜日

マレーシア(クアラルンプール)現地視察レポート

11月8日~11日の4日間、マレーシアのクアラルンプールに滞在して現地の様子を見てきました。
一部からは『慰安旅行』と呼ばれている今回の旅ですが、現地で得た情報についてみなさんにシェアしていきたいと思いますので、ご興味のある方はご一読ください。

※ 誤認等ありましたらご連絡いただけるとありがたいです。















東京の成田からマレーシアまでのフライト時間は7時間半。現在、中部国際空港からの直行便はありませんが、既に就航の予定があるそうで今後は中部からのアクセスも近くなります。時差は1時間なので時差ボケを感じることはありません。が、実はこの時差、東京市場に合わせてかなり無理をして設定しているそうで、ほんとは2時間くらいあるようです。(実際、7時半になってようやく空が明るみ初めてくるので最初そのことを知らなかった僕は、えらく日ののぼりが遅い国だな。と思ってました。)


マレーシアの国土は、日本とほぼ同じ大きさですが、人口は3,000万人弱(外国人含む)。「この人口の少なさが少し残念なところ」と現地滞在の方が言われてました。30歳未満が55%ではあるものの人口ピラミッドは減少傾向にあって、国としてのポテンシャルを非常に感じるだけに確かに残念かもしれません。ちなみに今回訪問したクアラルンプールの市域人口は約180万人、そこを中心とした都市圏の人口となると720万人となり、日本でいうと愛知県と同じくらいの規模になります。(ちなみにマレーシア在住の日本人は2万人くらいだそうです。)
























写真は、マスメッド・ジャメ駅周辺のマレー系の人たちが多くいる地域で撮影したものですが、3,000万人の人口のうち約60%(1,850万人)がこのマレー系の人たち。その他にチャイニーズ系が約20%(650万人)で、インド系が6%(190万人)といった構成です(クアラルンプール市内は割合が変わるので後述)。シンガポールと同様にクアラルンプールでも同じ人種の人たちが特定の地域に固まって生活している感じです。これは、イギリスの植民地であったことによる影響が大きいと思います。自動車も左側通行ですし。

市内では、ほとんどの場所で英語が通じます。Malaysian Englishかつ、ネイティブランゲージ寄りのなまりはありますが、少し話しているうちに特有のイントネーションが掴めてきます。なので、言葉に関して苦労を感じることはほとんどありませんでした。マレーシアの人たちは、状況によって言葉を使い分けているそうで、チャイニーズ系なら家族と話すときは中国語、外で話す時は英語、という感じだそうです。余談ですが、現地でマレーシア人の友人の結婚式への招待を受けていたので参加してきましたが、その際も司会の女性がまずは中国語で、次に英語で進行をしていましたし、新郎新婦のスピーチは英語でした。

マレーシアで10年近く企業経営をされている方曰く、マレーシアの採用市場が売り手市場(働き手がとても優位)である理由の一つが、最低でもマルチリンガルなことだそうです。複数の国にまたがってサービスを提供する時代にこうした人材が、分かりやすいところでいうとコールセンターやコミュニティ運営などで求められていて、さらに上を目指すならシンガポールに出て仕事をすることもできるからです。


























次に経済ですが、クアラルンプールの商業の中心は、Bukit Bingtang(ブキ・ビンタン)というところにあります。ざっくりいうと名古屋の栄です。知らない方には伝わらない例えで申し訳ないですが、雰囲気や街のスピードもまさにそんな感じです。駅の周辺エリアにはいくつかの大きなショッピングモールがあって大勢の人で賑っています。ただ、どうみても人口や購買力とミスマッチを起こしていて、実際のところ流行らないモールはすぐにテナントがガラガラになって廃れてしまうようです。国として右肩上がりの経済しか経験していないということもあって、これからもどんどん作っていく方針だそうで、この先数年で20近いのモールの建設が予定されているそうです。




























国としての人口構成のところで、マレー系6割、チャイニーズ系2割と書きましたが、クアラルンプールだけだと共に4割くらいになるそうで、チャイニーズ系の割合がかなり増えます。ビジネスを考えるときは、こっちの数字を気にする方がいいかなと思います。所得は、中堅技術者(日本で年収600万円くらいの技術者イメージ)で月額10万円弱。管理職クラスだと月額20万円くらいになります。これくらいの所得になってくると、生活コストの低さもあるので可処分所得は日本の若者よりも高いと思われます。

「政治はマレー系が握っていて、経済はチャイニーズ系が引っ張っている」らしく、経済においてはマレー系が足を引っ張っている印象(稼ごうよ!というチャイニーズ系と、ほどほどでいいんだよ。というマレー系)だそうです。事実、購買力もチャイニーズ系の方が高く、中間層(マレーシアは中間層が分厚い)の家計月収は、チャイニーズ系で平均17万円強、マレー系は12万円強です。上位層になると、チャイニーズ系の45万円強に対して、マレー系は32万弱とその差は広がります。

4日間で、かなりの数のモールを歩いてきましたが、ファッションでも電化製品でも日本でおなじみのブランドが並んでいますし、海外からのブランドがとても多いです。マレーシアの人は、海外のよいものを取り入れることに積極的(逆に言うと自分たちで作ろうとしないのが問題)だそうで、日本のプロダクトもたくさんみかけました。特にキャラクター系において日本のコンテンツは強いなというのを改めて実感します。
























あと、コートなどの冬服がディスプレイされていて、今の時期マレーシアの日中の気温は30度くらいで、電車を待っているだけで汗ばんでくるのにコート?と不思議に思っていたのですが、現地滞在の方曰く、こうした服を買える=海外に行けることを意味しているらしくステータスのひとつだとか。マレーシアの人は見栄っ張りなところがあるとも言っていました。
























街は日没後から活気づく感じで、結構遅い時間になってもたくさんの人が歩いています。日中は気温が高いですが、夜になると25度くらいになって過ごしやすいのがその理由だと思います。(もちろん場所によるでしょうけども)夜の治安が悪い印象はあまりなくて、裏通りというかほとんど人の通りが無いようなところでも女性がひとりで歩いていました。電車は大体0時過ぎまで運行していて、タクシーはもっと遅い時間までいます。このことを知っていたら初日にもっと街を見てあるけたのになと思っています。
























次の写真は、コミューターの女性専用車両の様子。クアラルンプールで特筆すべきことのひとつに交通インフラがあります。非常に整っていて名古屋の栄よりも質、価格ともに断然充実しています。空港から市内までは、KLIA Express という高速列車が30分で結んでいて価格は1,000円程度。市内に入るとコミューターと呼ばれる電車のほか、モノレール、バス、タクシーがあります。コミューターは格段に安くて1駅30円。KLセントラル駅から30分ほど離れたスバン・ジャヤ駅へ行っても50円程度でした。コミューターのチケットには2種類あって、自動販売機で買うとプラスチックのコイン型のものが出てきて、窓口で買うとカードを渡されます。出口では、コイン型のチケットをゲートに入れるか、係員にカードを渡します。


















タクシーの料金は交渉が可能です。と、いうか交渉してから乗らないと後で高い金額を要求される可能性があります。実際、聞かないで乗ってしまって倍ぐらい払わされました。ただ、こう書くとやっぱ海外のタクシーは怖いな。ってなりますが、基本ぼったくりの無い、平和な日本のタクシーの料金ほうがよっぽど高いです。倍払わされて日本の1/2です。距離的に。市内のタクシーの運転手とは、常に20リンギットなのか15リンギットなのかで戦うという150円の攻防が繰り広げられます。どうでもいいといえばいいんですが、なぜか交渉しちゃうんですよね。

なお個人的な移動手段としては車だそうです。タクシーの運転手に安い車買うならどれくらいのイメージかを聞いたところ、まあ100万円くらいかな。と、いう感じの回答でしたので、前述の所得からいっても、これであれば十分に買える値段です。

















食事についても少し。1日目に宿泊したホテルはリゾートホテルっぽい感じのところで、21時過ぎに到着して周囲に何もなさそうだったので、ホテル内にある日本食レストランでとることにしたのですが、天ざる、しいたけの吸い物、肉じゃが、ビールで3,800円でした。味はというと、全般的に出汁と塩が入ってない感じで味気無かったです。寿司を頼もうかと思いましたが、サーモン2貫で600円と聞いて諦めました。日本食=高級イメージなんだと思いますが、この味でこの値段は日本人の僕にとっては本当に残念です。ただ、日本の味そのままが海外で合うかどうか?や、僕が東海地方に住んでいて塩分の多い味に慣れているというのもあって判断は難しいです。ちなみに朝食のビュッフェにミソスープというのがあったので飲んでみたら赤味噌だったという。嬉しいけど、よく分からんです。

マレーシア訪問以前は、料理がすべて辛いと思っていたので、辛いのが苦手な僕としては、食べるものあるかな・・・と心配していたんですが、特にチェーン店などではメニューに辛さの表記がされてましたし、辛い料理は全体の半分以下の感じでした。屋台で食べた料理も安くて美味しかったです。ちょっとしたこと、匂いとか味が気になると食べられないというデリケートな体質ですが、まったく問題なかったです。あと、KLセントラル駅という交通の要所周辺には、400店舗以上の日本食があるそうです。ただ、ホテル以外では日本食を食べてないので味はわかりません。

































あと、マレー系の人たちは基本的にイスラム教を信仰しているため、お酒が飲めなかったり(そもそもマレーシア人はあまりお酒を飲まないそうですが)、豚肉などが食べられなかったりと食事に対して制限があります。そのためにハラール(HALAL)というイスラム法上で食べられる食品だということを認証する制度があります。牛肉や鶏肉でもこの認証がないと食べられません。下の画像はスーパーの一角ですが、ノン・ハラルな食材を扱うコーナーが特別に設けられていました。



















現地で食品系のビジネスをする上でこのハラル認証は重要ですが、難点は認証の取得にかかる費用が高いことです。あと、いまこれをビジネスとして海外に押し出していこうという動きがあるそうで、日本で言うところの個人情報保護マークの認証取得などと同じイメージかなと思います。前述しましたが、クアラルンプール市内にはチャイニーズ系が半数近くいて購買力もあるので、日本の食品メーカーは、まずそこをターゲットにするというのもひとつの手だということを聞きました。



あと、この流れで、マレーシア進出(する予定ないけど、したい人向け)についてのことを書きたいと思いますが、まずはコスト面から。東南アジアといえばシンガポールが拠点として思い浮かびます。現地視察にも行きましたが、オーチャード周辺は言葉の違う東京という印象を持ちました。非常に発展している半面、いろいろと高い。例えば事務所の家賃でいうと、名古屋が1坪平均1.3万くらいだとすると、シンガポールが2.7万円、クアラルンプールは0.7万円です。店舗スペースは、シンガポールの8.8万円に対してクアラルンプールが0.2万円と安く、これは現地滞在の方が進出メリットの一つだとあげていました。同じく電気代も名古屋・シンガポールの1/2、水道料金は名古屋の1/5、シンガポールの1/4で済みます。シンガポールのメリットのひとつは法人税で17%ですが、日本が30%、クアラルンプールは22.5%となっています。

あと、現地でIT系の企業に訪問しましたが、いま一番進出するならITじゃないか?ということを言われてました。IT企業向けの特別政策としては、MSC Pioneer Status というのがあって、これを取得すると(国籍関係なく!)従業員に対していくらでもVisaを発行できるようになるそうです。あと、前述していますが、いくつかの言葉も話せるのでITに向いている、と。

その他、IT系の情報として、Facebook の人気が非常に高くてマーケティングで主に使われていること、街を歩いていると頻繁にLINEのCMやグッズを見かけること、スマートフォン文化であること、ゲームは30代以下の男性がほとんどである、ということも聞きました。

日本人の東南アジアでのコミュニティは狭くて仕事をしているとすぐに繋がっていくそうで、私の知人の方を何名か名前を出してみたところ、みなさんについてご存知でした。




















【2013.11.15 追記】
あと、もう少し思い出したことがあるので、追記しておきます。

Wi-Fiについて
空港を始め、KLIA ExpressやKTMコミューターなどの交通機関、ホテル、モールやレストランなどクアラルンプール市内のいたるところで無料のWi-Fiが飛んでいます。ホテルのWi-Fiは快適に使えましたが、空港や街中のWi-Fiはプチプチと切断されたり、突然遅くなったりすることが何回かありました。今回モバイルWi-Fi(wi-ho)を日本でレンタルしてもっていきましたが、郊外であっても概ね問題ありませんでした。

(マレーシア関係ないですが)中部国際空港空港のテレコムスクエア(wi-ho受取)窓口ですが、僕がいったときには担当者が1人しかおらず、前に並んでいた人が当日レンタルの手続きをしていて、それが結構時間がかかるので思わぬ時間ロスとなりました。後ろにも列ができてましたので、余裕を持って行くか前日に家まで届けておいてもらうほうがよいと思います。


左手について
イスラム教では左の手は不浄の手だということで、ガイドブックなどには物を渡したり、人に触ったりする時には絶対に使わない方がいいと書かれています。実際のところ(現地滞在の方はあんまり気にしていないようでしたが)、ホテルの受付の人は必ず左手で右手の手首を握って、右手でカードを受け取ったり、返したりしてました。あと、食事では右手にスプーン、左手にフォークを持って、口に食べ物を運ぶ時は右手で運んでいるように思えましたが、これは気にしすぎかもしれません。


トイレ
マレーシアのトイレには基本的に ハンドシャワー(場所によってはホース)がついています。これで用を足したあと洗い流すわけですが、ホテルのとか比較的キレイなトイレはいいですが、街中のトイレだと衛生的な意味でホースのどこを持ったらいいかちょっと悩みます。あと、トイレットペーパーは設置されていないことが多いです。そのためか、僕が使ったトイレはどれも流す力が弱くて、日本のイメージでカラカラ、カラカラと紙を使っていたら、詰まりそうになってしまって便座を決壊するまであと1cmというところでなんとか流れたということがありました。マレーシアでの一番のピンチでした。




























最後に。

マレーシアについて一言でいうなら「ちょうどよいバランス加減で発展している国で、日本人には住みやすそう。」です。

まず、英語が通じる。医療も悪くない(高度医療はシンガポールになるけど)。街も名古屋みたいな感じで発展していて交通の便も悪くない。治安も心配するほどではないなど。訪問先の社長が「他にいいところがあったら別にマレーシアでなくてもいいけど、いまのところここ。」という話をしていたり、空港に向かう電車で隣に座ったフランス出身の男性(東南アジアを中心に 40年くらい仕事をしていて、神戸や横浜にも来たことがあって、奥さんがマレーシア人)も、「いろいろ国をまわったけ どマレーシアが一番。それなりに発展していて、治安も悪くない、生活するコスト高くもない。」といっていたことなどからもそのことが窺い知れます。




















4日間という短い滞在でしたが、充実した日々を送ることができました。空いた時間はすべて街を歩きました。とにかく歩けば歩いただけ、ふとした瞬間にあるそこに住む人の暮らしが見えてきます。人の集まりが街であり国であるので、建物や乗り物を見ることも重要ですが、街の人たちがどんな感じで暮らしているのかを少しでも多く感じることが、その街や国をより知ることにつながっていくと思っています。なので、3回くらい倒れそうになりましたけど本当に歩けるだけ歩いてきました。とはいえ、やはり数日の滞在では美味しいとこ取りになってしまう部分もあって、このブログでお伝えできることは、マレーシアのほんの一部ではありますが、何かの参考になればと思います。


2013年10月28日月曜日

にいがた産業創造機構主催 クラウドアプリ開発セミナー

クラウドアプリ開発セミナー(にいがた産業創造機構:NICO 主催)での事例発表とパネルディスカッションため新潟市に行ってきました。

























今回の事例ではデータは全てサーバー上にあってパソコンやスマートフォン、タブレットといったマルチデバイスからのアクセスに対応していて、システムの稼働環境がAWS(Amazon Web  Services)を活用しているので、そうした点でもってクラウドアプリと呼んでいます。

参加者の層が幅広かったので、経営者の方向けにはAWSを導入するとどんないいことがあるのかということについて、技術者の方向けにはシステムで使っている各種技術について軽くお話をしました。

短い時間でしたので少し話足りない感が残りましたが、細かなお話は来年あらためて場を設けてやろうということになったので、そこでタップリお話したいなと思っています。


今回事例発表されたクラウドアプリが画期的なものかというとそうではないですが、取り組みの主旨は新潟のIT技術を向上させるために何か具体的なテーマをもってクラウドアプリを作ろうというところなので、(僕がプロジェクトに加わる前も、そして加わったあとも)いくつかのヤマを超えてきてリリースまで持ってこれたというところに、まずは評価をいただけたと感じています。

新潟のIT技術向上なのに三重の会社がやってちゃ意味ないじゃん。という話なんですが、IT技術の向上といってもやり方はいろいろあるので、社内でゼロからやるには予算も時間も取れないので、ひとり経験のある人を加えて一緒に進めながらポイントを掴んでいこうという考え方がひとつ。あと、手段としてIT技術を考えて、技術による勝負じゃなくてノウハウやニーズを使える形に落とし込むための企画力やデザイン力を向上させていこうというのもひとつです。後者の場合は、極論をいえば発注先はどこでもよくて海外の安いリソース活用も可能になってきます。

このプロジェクトを機に他にもIT技術向上のための広がりが出てきているので、これからも継続してご協力できたらなと思っています。
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